現在27歳のワトソンは、今年初めてフォーブスの「世界で最も稼ぐ女優」ベスト10にランクイン。エイミー・アダムス、ケイト・ブランシェットなどのベテラン勢を抜き、シャーリーズ・セロンと同額で6位に輝いた。
ワトソンの2016年6月から1年間の収入は、推計1400万ドル(約15億円)。その大半を、主演したディズニーの実写版「美女と野獣」と、トム・ハンクスと共演したSFスリラー「ザ・サークル」(日本公開11月10日)の出演料が占める。
「ザ・サークル」の米国内興行収入は2050万ドル(約22億円)と振るわなかったものの、「美女と野獣」は米国内で5億400万ドル(約550億円)、全世界で12億6200万ドル(約1378億円)を稼ぎ出し、現時点で今年最大のヒットを記録した。後者の額はシリーズ最終作を除いた「ハリーポッター」の1作あたりの興行収入を上回る。
調査会社コムスコアのメディアアナリスト、ポール・ダーガラベディアンは、ワトソンの人気の理由を次のように話す。「『ハリーポッター』で育った世代にとって、エマ・ワトソンはスクリーンに登場した瞬間に安心感が得られる存在です。それはハーマイオニー・グレンジャー役ではなくベル役を演じている時も変わりません。『美女と野獣』は他の女優でも作ることができたはずですが、あのような魔法は起きなかったでしょう」
「美女と野獣」のヒロイン、ベルはワトソンにぴったりの役だった。ベルは作中で本の虫として描かれているが、ワトソン自身も月に一度、オンライン上のブッククラブ「Our Shared Shelf」を開催している。ワトソンはまた、CNNの取材に対し「どの歌もそらで覚えていたから、(映画のために)歌詞をわざわざ暗記する必要はなかった」と語っていた。
前払いのギャラが3億円
国連ウィメンの親善大使も務めるワトソンにとって、「美女と野獣」は2014年の「ノア 約束の舟」以来のハリウッド大作への出演である。1億2500万ドル(約136億円)をかけて製作された「ノア 約束の舟」の全世界興行収入は3億6260万ドル(約396億円)。「美女と野獣」の製作費は1億6000万ドル(約175億円)だ。
業界関係者によると、ワトソンはディズニーから出演料の前払い金として300万ドル(約3億3000万円)を受け取った後、大ヒットを受けてさらに数百万ドルを支払われているという。なお、フォーブスが前回ワトソンの収入を推算した2007年、その額は400万ドル(約4億4000万円)だった。
ワトソンは英メトロの「美女と野獣」に関するインタビューで「撮影最終日は、私がハーマイオニーに採用された記念日でした。そのことに気づいた時、何かが一巡りしたような不思議な感覚に襲われました」と語っている。
今回のフォーブスの「最も稼ぐ女優ランキング」は、2016年6月1月から1年間の収入を、ニールセン、コムスコア、ボックス・オフィス・モジョ、IMDBのデータや業界関係者へのインタビューをもとに推計したもの。上位10人の年収総額は1億7250万ドル(約188億円)だった。