「独りの時間」を増やすべき7つの科学的根拠

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私の心理療法所を訪れるクライアントは、独りで過ごす時間を数分間持つよう提案されると「忙し過ぎて自分の時間が持てない」や「じっとしていられない性分で。充実していなきゃだめなんです」などと返答することが多い。

だが、詰め込み過ぎたスケジュールに若干の独りの時間を挿入することは、時間の無駄ではない。忙しければ忙しいほど、静かな時間を持つメリットは大きい。

独りの時間を持つメリットは、多くの研究で示されている。以下に、その理由として科学的に裏付けられている事実のうちのほんの一部を紹介しよう。

1. 独りの時間は共感力を育てる

特定の友人や同僚の輪の中で過ごしていると、人々を「仲間」と「他者」に分ける考え方が身についてしまう。独りで時間を過ごすことで、「内輪」でない人に対して共感の気持ちを持てるようになる。

2. 独りの時間は生産性を高める

米国では最近、コミュニケーションが取りやすいようにとオープンオフィスが多く採用されるようになったが、人に囲まれていると生産性が失われるという研究結果が出ている。少しプライバシーがある方が、人はより高い生産性を発揮する。

3. 独りの時間は創造性を開花させる

作家や芸術家の多くが森の中の小屋や個人用の仕事場での作業を好むのには理由がある。独りで考えをめぐらせると、脳がさまざまなに方向に動き、結果として創造力が増すのだ。

4. 独りの時間で精神を強化できる

社会的な生き物である人間にとっては、他の人たちと強いつながりを持つことは重要だ。しかし、孤独も同じくらい重要かもしれない。研究によると、孤独な時間に耐える能力は、幸福感の増幅、生活満足度の向上、ストレス管理の改善に結びついている。独りの時間を楽しむ人は、憂鬱な気分になることが比較的少ない。

5. 独りで過ごすと子供の問題行動が減ることも

親が独りで過ごす時間を作れば、子供に対して独りで過ごすことは健全なのだと示せる。研究では、独りで過ごすことを学んだ子供は、他の子供よりも行儀良く振る舞えることが示されている。親が手本となって、早いうちから子供に独りで過ごすスキルを教えよう。
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編集=遠藤宗生

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