四半期の損失500億円の「スナップチャット」に学ぶ不屈の闘志

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四半期で480億円の損失

スナップチャットのほとんどのユーザーは北米に居住する18歳から25歳の世代だ。フェイスブックは2012年12月、スナップチャットを30億ドル(約3300億円)で買収しようとしたが、同社はこれを断った。共同創業者らは当時、短期的な利益のためにアプリを売り渡すことを「面白くない」と考えたという。

その直後にフェイスブックはiOS向けに「Poke」というアプリをリリースし、送信したメッセージや写真や動画が“消える”点をユーザーにアピールした。つまり、スナップチャットの機能をそのままパクったのだ。しかし、Pokeはユーザーの支持を集めることができず、2年後にはアプリストアから姿を消すことになった。

フェイスブックはその後も自社のアプリでスナップチャットを模倣する動きに出た。フェイスブックのアプリだけではなく、傘下のインスタグラムやワッツアップにもスナップチャットそっくりなレンズやフィルター機能を導入した。

そして2016年8月にはインスタグラムにストーリーを導入し、2017年1月時点で、インスタグラムのストーリーのDAU(1日当たりのアクティブユーザー)は2億5000万人を突破した。

インスタグラムCEOのケビン・シストロムは当時のインタビューで、スナップチャットがこの分野のパイオニアであることについて尋ねられ、こう答えている。

「スナップチャットがこの分野の先駆者であることは明らかだ。それはインスタグラムが最初にスマホの写真にフィルターを加えたのと同様のことだ。しかし、大事なのは誰が先にやったかということよりも、新たなフォーマットをサービスに取り入れ、自分たちのやり方でそれを拡大していくことだ」

スナップチャット運営元のスナップは8月10日、第2四半期決算を発表した。現在のDAUは1億7300万人に達し、過去3ヶ月で730万人の増加だった。一方で、四半期あたりの損失は4億4310万ドル(約484億円)に達している。しかし、幸いなことに広告売上は153%の増加で、第1四半期の7180万ドルから1億8170万ドルまで増加している。

編集=上田裕資

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