人工知能の権威、アンドリュー・エン 160億円の「AIファンド」を設立

アンドリュー・エン(Photo by Jemal Countess/Getty Images)

人工知能(AI)は現在、シリコンバレーのスタートアップシーンで最注目の領域となった。

AIを活用した人材マッチングを行うスタートアップ企業「Leap.ai」は先日、2億4000万ドル(約262億円)を中国のベンチャーキャピタルZhenFund(真格基金)から調達した。元グーグル社員のRichard LiuとYunkai Zhouらが共同創業したLeap.aiは、グーグル在籍時代に800名の採用を担当した彼らの経験をもとに、テック業界の人材獲得戦線に新たな流れをもたらそうとしている。

ベイエリア本拠の同社はバイドゥや滴滴出行、アントフィナンシャル等の中国のテック企業大手にシリコンバレーの人材を送り込むことを目指す。

AI分野の資金調達としては、先日、世界トップレベルの人工知能研究者として知られるアンドリュー・エンが1億5000万ドル(約163億円)を調達し、AI関連のスタートアップを支援するファンドを立ち上げたことも明らかになっている。

スタンフォード大学准教授だったエンは2011年に、グーグルのAI研究チーム「グーグル・ブレイン」の設立に参加し、2014年には中国のバイドゥのAI部門「バイドゥリサーチ」のチーフサイエンティストに就任した。エンはその後、今年3月にバイドゥを去ることを発表し、今後の活動に注目が注がれていた。

エンのファンドの立ち上げはSEC(米国証券取引委員会)への提出書類から8月15日に明らかになった。活動の詳細は明かされてないが、このファンドは「AI Fund」と名づけられ、カリフォルニア州パロアルトを本拠としている。

この分野ではグーグルも7月にAI分野への投資を行うVCの「Gradient Ventures」を立ち上げたほか、マイクロソフトも独自のAIファンドを立ち上げた。また、トヨタも8月にAI企業「Preferred Networks(PFN)」に105億円を追加出資している。

編集=上田裕資

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