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2017.08.23 19:20

若手エンジェル投資家が期待する、「女性版WeWork」の可能性

左から)フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長 佐藤裕介、SHE代表取締役社長 中山紗彩、SHE取締役 福田恵里、エンジェル投資家 中川綾太郎

左から)フリークアウト・ホールディングス代表取締役社長 佐藤裕介、SHE代表取締役社長 中山紗彩、SHE取締役 福田恵里、エンジェル投資家 中川綾太郎

世界15カ国49都市でコワーキングスペースを運営する「WeWork(ウィーワーク)」の日本上陸が発表されるなど、ここ数年で、ますます盛り上がりを見せるコワーキングスペース市場。ドイツのウェブメディア「Deskmag」の調査結果によれば、全世界のコワーキングスペースの数は2015年時点で7800箇所を超えている。

その多くは起業家・クリエイター向けのスペースとなっているが、中には一風変わったコンセプトのコワーキングスペースも存在する。21世紀を生きる女性のためのコワーキングスペース「SHEworks(シーワークス)」だ。

手がけるのは、21世紀を生きる女性のためのレッスンクラブ「SHElikes(シーライクス)」を展開するSHE(シー)。同社は8月23日、「SHEworks」をリリースすることを発表(本オープンは9月1日の予定)。それと同時に、フリークアウト・ホールディングスの佐藤裕介、エンジェル投資家の中川綾太郎、キープレイヤーズの高野秀敏、ほか1名から資金調達を実施したことも、本記事をもって明らかにした。調達額は非公開。

「10〜15年前までは、“女性は結婚したら家庭に入ること”が定説とされてきました。しかし、ここ数年で“女性が活躍する社会の創出”が提唱されるようになり、私たち21世紀を生きる女性を取り巻く環境は大きく変化し始めています。この変化自体は喜ばしいことですが、同時に『自分の好きなことを仕事にしたいけど、どうすればいいかわからない』といった不安を抱えているのも事実。だからこそ、私は21世紀を生きる女性の働き方をサポートしたいと思い、起業を決意しました」(中山)

SHEは2017年4月に設立。「ひとりひとりが自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を作る」を理念に掲げ、上述の通り、レッスンクラブ「SHElikes」とコワーキングスペース「SHEworks」を展開している。

数年前の出会いが、今につながる

「初めて会ったのは、確か5年前ですかね」

中川は冒頭、こう切り出す。

5年前の2012年、中川は「アトコレ」という会社を立ち上げたばかりの頃で、一方の中山は大学2年生。まるで接点がなさそうな2人を引き合わせたのが、女性のパジャマ力を提案するウェブ連動型イベント「パジャコレ」だった。中山は当時、共同代表として「パジャコレ」の立ち上げを担当していた。

「同じ早稲田大学出身ということもあり、共通の知り合いから中山さんを紹介され、彼女から『アトコレとパジャコレで一緒に何かできないか』という話をいただきました。当時、かなりエッジの効いたファッショナブルなイベントだな、と(笑)。直接的なやりとりはなかったのですが、彼女がリクルートキャリアに就職した後も動向は気にかけていました。実際、『うさぎノート』という新規事業を立ち上げていましたし。そして、『起業をする』という連絡をもらったので、数年ぶりに会いました」(中川)

また、佐藤との出会いも数年前に遡る。

「彼女とはもともとソーシャルで繋がっていたこともあり、ソーシャル伝いでパジャコレの存在を知りました。いくつか写真を目にして思ったのは、きっと時代のトレンドを読み解くのが得意なんだろうな、と。そんな印象がありました。何年も会ってなかったのですが、彼女が起業するタイミングに、僕が投資している会社の社長が紹介してくれて。数年ぶりに会うことになりました」(佐藤)
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編集=新國翔大 撮影=小田駿一

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