ニューヨーク本拠の「The Farmer’s Dog」もそんな企業の一つだ。同社は犬種や年齢に応じてパーソナライズされたドッグフードを宅配する。今年5月にThe Farmer’s Dogは810万ドルのシリーズA資金調達を実施。今回の調達をリードしたのはひげ剃りのサブスクリプションサービスの「Dollar Shave Club」の出資元として知られるShasta Ventures。昨年5月に200万ドルのシード資金を調達したThe Farmer’s Dogの累計調達額は今回で1000万ドル(約11億円)を突破した。
同社の共同創業者のジョナサン・レジェブとブレット・ポドルスキーは、以前にフォーブスの「30アンダー30(30歳未満の重要人物)」にも選出されている。ポドルスキーは2頭の犬を飼っているがペットショップで販売されるドッグフードで愛犬が病気になった経験から、このビジネスを思い立ったという。
「自分たちが必要だと思うサービスを立ち上げてみた」とレジェブは言う。近年、米国のミレニアル世代は食べ物に関する意識を高めているが、同じトレンドがドッグフードの分野にも来ると思ったという。栄養価が高く、安全で新鮮なパーソナライズされたドッグフードを提供するのが彼らのミッションだ。
The Farmer’s Dogはこれまでに、100万食以上のドッグフードを全米に送り出してきた。同社のアルゴリズムは犬種や年齢、体の大きさといった指標に合わせ、最適なドッグフードを調理して送り届ける。野菜や肉などの材料は安心なものだけを使用し、注文から数日で各家庭に届けられる。創業間もない同社は毎月40%から50%のペースで売上を伸ばしている。
今回の調達資金をもとに同社は人員を増強し、生産ラインの拡大を行う計画だ。この分野ではBlue BuffaloやHonest Kitchen等の企業がプレミアムクオリティのドッグフードを提供しているが、The Farmer’s Dogはパーソナライズとデリバリーの仕組みで差別化を図ろうとしている。
「ショップで売られているドッグフードには有害な物質が含まれていることもある。透明性の高いブランドで、消費者にアピールしていきたい」とポドルスキーは述べた。