インフルエンサーマーケティング企業のメディアキックス(Mediakix)は先日、興味深い実験結果を発表した。
同社は2つの偽アカウントを作成。うち一つでは地元モデルを雇った上で、「ライフスタイル・インフルエンサー」としての全コンテンツを1日かけて撮影。もう一つでは、ハワイのマウイ島やパリ、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園などの景勝地を撮影した無料の写真を使用し、旅行写真家のアカウントを装った。
次に同社は、偽のフォロワーやエンゲージメント(「いいね」やコメントなど)を有料で提供する複数のサイトのサービスを利用。各写真につき500〜2500件ほどの「いいね」と10〜50件ほどのコメントを購入した。
偽アカウントのフォロワー数が1万人に達すると、さまざまなインフルエンサーマーケティング仲介サービスを利用できるようになった。偽アカウントを使って新たなキャンペーンに応募したところ、各アカウントにつき2件、計4件の有償ブランド契約を獲得。金銭報酬か無料の商品支給、あるいはその両方を受け取るまでに至った。
非常に簡単に聞こえるだろうが、本当にそうなのだ。だからこそ、企業はインフルエンサーに投資する前に、候補者を調査する必要がある。インフルエンサーマーケティングから得られる報酬が大きい限り、この構造に付け込む人は後を絶たないだろう。
メディアキックスによると、現在インスタグラム上のインフルエンサー市場規模は10億ドル(約1090億円)で、2019年までには2倍に跳ね上がると予想されている。偽アカウントに惑わされないために、次の危険信号に注意しよう。
フォロワー数は多いが、エンゲージメントが少ない
大事なのはフォロワー数だけではない。ユーザーに膨大な数のフォロワーがいるのにエンゲージメントが少ない場合は、偽のフォロワーを購入しているか、フォロワーが共感するようなコンテンツを作成していないことになる。大体の目安として、投稿1件に対し少なくとも10%のエンゲージメントのあるアカウントを選ぼう。