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Rawpixel.com / Shutterstock.com

電子商取引が実店舗型の小売販売より本質的に儲かるものだという考えは、よくある誤解だ。インターネット通販を主な事業としながら「伝統的な」小売業者を上回る利益率を維持している企業がほとんどないことからも、そのことが分かるだろう。

話を単純化し過ぎとの指摘を受けるかもしれないが、ネット販売では注文1件当たりの粗利益がその注文に関連して発生する変動費を上回らなければ、利益を出すことができない。ネット販売業者や小売業者のオムニチャネル部門の多くが利益を上げられない理由は、顧客1人を獲得するためのわずかなコストと注文を受けてから取引を完了するまでのサプライチェーンにかかるコストの合計が、粗利益を超えてしまうからだ。

さらに、電子商取引が不採算事業になるケースが多いのはこれらのコストがかさむことに加えて、返品率が高いことが理由だ。ファッションブランド、マイケル・コースのジョン・アイドル最高経営責任者(CEO)は昨年、ブルームバーグの取材に対して次のように語っている。

「残念ながら、現在のところ電子商取引事業の営業利益は、実店舗を下回っている。いずれは逆転するものと考えているが・・・消費者は無料での配送と返品の受け付け、きれいな包装を要求する。さらに、複数のサイズの衣類を注文して自宅で試着し、返品する人も増えている。これらは私たちにとって、いずれもマイナスになる逆風だ」

忘れてはならないのは、こう述べているのが消費者の認知度も非常に高く、ネット事業の規模も大きく、平均取引額も高いブランド(のトップ)だということだ。

衣料品やアクセサリー、シューズ、家具など、サイズや色、製品のつくりなどが商品の購入に関する決定を左右する商品カテゴリーでは、返品率が25~40%に上ることも珍しくない。そして、小売業者が配送料や返品・交換にかかる費用を負担していれば、利益はあっという間に消えてしまう。

また、返品された商品からは、当初の粗利益を期待することができない。「店ざらし」の商品(あるいは不良品)扱いになることや、返品されてきたときにはセール対象品になっていることなどもあるためだ。

アナリストらの間には、積極的に電子商取引事業への投資を行わない小売業者を批判する向きもある。だが、多くの企業がネット販売に二の足を踏むのは、そうすることで自社の収益性に悪影響が及ぼされることを知っているからだ。

実際のところ、返品率を大幅に引き下げることができなければ、そして返品によって生じるコストを大幅に削減することができなければ、一部の企業はネット事業によって、苦しみ続けることになるだろう。

一方、実店舗は返品率とサプライチェーンにかかるコストの引き下げに大きく貢献する可能性があることが明らかになっている。これは、ネット通販専業の企業が実店舗を開設し始めている主な理由の一つだ。

オムニチャネル・ブランドの中には、実店舗で返品の受け付け始めているものもある。取り扱いにかかるコストを削減することができる上、来店客が増えることで売上高の増加につながる場合も多いという。

ネット通販は今後も明らかに、実店舗を上回る速度で成長を続けると予想される。アマゾンやその他の新たな「破壊的」ブランドは多くの商品について、ネット通販で取り扱う割合をさらに引き上げていくだろう。つまり、多くのブランドにとって、高い返品率の影響は今後さらに大きな問題になっていく可能性があるということだ。

編集=木内涼子

 

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