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2017.08.18

米国での大失敗を乗り越えたポケモンGO、横浜で200万人を動員

Photo by Tomohiro Ohsumi / Getty Images

アメリカのポケモンGOファンの間では、近日実装が予定されている“EXレイドバトル” の是非や“伝説レイド疲れ”が大きな話題となっている。一方、日本では横浜でポケモンGOイベントが開催され、これまでで最も成功したリアルイベントとなった。

7月にシカゴで行われたリアルイベント「Pokémon GO Fest」は、通信障害とサーバ障害によりほとんどゲームがプレイできず、大失敗に終わった。これに対し、横浜では珍しいポケモンや色違いピカチュウ、新しいレイドボスが登場。横浜スタジアムにはミュウツーが出現するなど大いに盛り上がり、最終的な参加者数は200万人に達した。将来のリアルイベントでシカゴのような失敗を繰り返さないためにも、ナイアンティックが横浜での成功から学ぶべき点は多い。

筆者は、ナイアンティックがシカゴのGO Festの反省を踏まえ、横浜ではどのような対策を講じたのか、関係者から直接話を聞くことができた。以下がその概要だ。

・主要通信キャリアにイベントの開催を事前通告し、通信障害が生じないように万全の準備を整えた。
・広大な横浜みなとみらいエリア一帯でイベントを開催し、プレーヤーたちが公園や名所を徘徊できるようにした。
・トレーナーたちが一ヶ所に集中しないよう、アンノーンや色違いピカチュウ、ラッキー、ヨーギラスなどをエリア内に分散して出現させた。
・イベント終盤に抽選で当選したトレーナーのみが参加できる「ポケモンGOスタジアム」を横浜スタジアムで開催。伝説のポケモン「ミュウツー」がバックスクリーンに映し出され、会場は大盛り上がりとなった。ナイアンティックはサーバ障害を防止するため専用セグメントを構築した。

つまり、横浜ではシカゴに比べてはるかに広い会場を用意し、携帯キャリアと連携を取り、サーバがダウンしないよう細心の注意を払ったことが功を奏したのだ。シカゴでの失敗後、ポケモンGOのライブイベントの是非が問われたが、ヨーロッパや横浜での成功によってナイアンティックは今後もイベントを継続する意思を固めたようだ。筆者は個人的にはシカゴで再チャレンジをしてくれることを期待している。

リアルイベントは素晴らしいが課題もある。それは、ごく限られた地域のプレーヤーだけが珍しいポケモンや新しいレイドボスを手に入れることができるということだ。ポケモンGOのファンは世界中におり、地域間で格差が生じないようにナイアンティックがグローバルなイベントを開催してくれることを望みたい。しかし、ナイアンティックがシカゴでの失敗から学んだことをすぐ成果に結びつけたことは大いに評価したい。

編集=上田裕資

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