リストの米国オフィスの広報担当者によれば、同社サイトを通じて女性向けのジュエリーを購入する人の男女比を見ると、女性の割合は2016年からの1年で14%増加したという。こうした状況をこの担当者は、「自分にご褒美をあげることが流行している」ためと見ている。
ただ、専門家らの間では、女性たちの間に見られるこうした傾向はすでに認識されており、ミレニアル世代の消費者を引きつけ、売上高をさらに伸ばすことにつながる可能性があるとして注目されている。
ダイヤモンド生産大手のデビアスは2016年9月に発表した報告書の中で、「この傾向は間違いなく、将来の成長に向けた機会の一つである」との見解を示した。また、ファッション情報サイトのラックト(Racked)は今年2月、ティファニー関する記事の中で、「自分のためのジュエリーを買う女性の関心を引きつけることが、同社の今後の戦略においては不可欠だ」と指摘している。
リストで女性向けのジュエリーを購入する人に占める女性の割合は、現在では78%に上っている。だが、こうした女性たちが購入するのは、高価なダイヤモンドなどではない。男性ユーザーたちが選ぶものよりも、安価な商品だ。リストを通じて2016年に男性利用者が購入したネックレスの平均価格は、327ドル(約3万5000円)。女性の場合はその半額程度の176ドルだった。
ただし、女性利用者の購入点数は、多ければ男性の3倍に上る。こうしたことが示唆するのは、女性たちがジュエリーの購入を「自分を甘やかしても良いところ」と捉え、靴や財布と同じように、手頃な価格で楽しむようになってきているということだ。
宝石や貴金属を用いるジュエリーは従来、男性が愛情を伝えるものとして、または節目を記念するものとして、恋人や妻に贈るものと位置付けられてきた。そして、そのため高価なものが選ばれることが多かった。リストを利用してジュエリーを購入する男性たちが女性たちより高額の商品を選んでいる理由は、この点にあると考えられるだろう。
もちろん、自分で高額のジュエリーを購入する女性もいる。今年1月以降、リストを通じて2人の女性が、(モナコ王室御用達の宝石商として知られる)オートクチュールジュエラー「レポシ(Repossi)」の3万8300ドルのチョーカーをそれぞれ購入している。
前出の広報担当によれば、ジュエリーはリストが扱う商品の中でも特に好調なカテゴリーだ。オンラインでの売上高は昨年、前年比122%増となった。今年もすでに、前年の同じ期間と比べて178%の増加を記録している。