現在、アヴェダやベネフィット、ベアミネラル、ハーヴェイ・ニコルズ、ハロッズなど170社以上がMy Beauty Matchesと提携しているが、これらの企業は従来に比べてCVR(コンバージョンレート)が飛躍的に向上したという。
創業者のNidhima Kohliは、ロンドンにあるカス・ビジネス・スクールを卒業後、金融業界で7年間働いたが、労働時間は週80時間以上で海外出張も多かった。多忙を極める彼女にとって美容アイテムは欠かせなかったが、信頼に足る情報が不足していると痛感し、My Beauty Matchesのビジネスモデルを思い付いた。Kohliは美容商品に関する知識を深めるためLondon College of Beautyに通い、国際メイクアップアーティストと美容師の資格を取得した。
My Beauty Matchesのユーザーは、最初に簡単な質問に答えると、マッチングエンジンがスキンケアやメークアップ、ボディケア、フレグランスなど様々なカテゴリの中からニーズに合った商品を3点レコメンドしてくれる。ユーザーはその中から1つを選んで価格を比較し、好みの販売者から購入することができる。また、セール通知に登録をしておけば、それらの商品が値引きになった際に教えてくれる。
美容分野で最強のレコメンドエンジン
これまでにいくつかの企業がMy Beauty Matchesの模倣を試みたが、どこもテクノロジーの開発に苦戦したという。また、これらの企業は取り扱いブランド数が少ないことに加え、特定の大手化粧品メーカーと提携しているケースが多く、レコメンデーションの内容が中立性を欠くことから消費者の支持を得ることができなかった。このため、その多くは美容品のサブスクリプションサービスにビジネスモデルを転換した。
My Beauty Matchesは、独自開発した機械学習モデルを用いてユーザーの利用データを分析し、アルゴリズムを設計している。Beauty Matchingエンジンには、過去3年半分の提携ブランドデータ、ユーザープロフィール、クリックデータに加え、美容専門家の意見が反映されており、レコメンデーションの精度は、日に日に高まっているという。
My Beauty Matchesは、機械学習を用いて化粧品業界で最強のレコメンドエンジンを開発することに成功し、多くの企業がCVRと客単価の向上を目的にBeauty Matchingエンジンの導入を希望しているという。同社はサービスの中立性を維持するために、自社製品の開発や大手メーカーとの提携を行っていない。
「我々は、長期的な視点でビジネスを運営しています。My Beauty Matchesは、公平・中立なレコメンデーションを行うことによって、ブランドが消費者とより密な関係を築くことができる唯一のテクノロジーになることができました」とKohliは述べている。
My Beauty Matchesは個人情報の取扱いに細心の注意を払っており、外部企業に対して個人に関わるデータを一切開示していない。