米調査機関ピュー・リサーチ・センターは8月16日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する世界37か国の市民の信頼度に関する調査結果を発表した。その中で示されたトランプへの信頼度との比較によれば、国際問題への対応について、「トランプよりプーチンの方が正しい行動を取ると信じる」とした国は、22か国に上った。
2人の大統領に対する信頼度の差が最も大きかったのは、ギリシャだ。プーチンを信頼できるとした人が回答者の50%だったのに対し、トランプを同様に見る人は19%だった。
その他に信頼度の差が大きかった主な国は、以下の通り(数字は左がプーチン、右がトランプを「信頼できる」とした人の割合)。
・ベトナム: 79%/ 58%
・韓国: 27%/ 17%
・ドイツ: 25%/ 11%
・コロンビア: 23%/ 15%
・ブラジル: 19%/ 14%
・メキシコ: 9%/ 5%
韓国民は自国を北朝鮮の脅威から防衛する米国の大統領を、ロシアの指導者ほどには信頼していないということだ。また、米国に友好的なコロンビアでも、プーチンへの信頼度の方が高くなっている。実際のところ、中南米諸国でプーチンよりトランプを高く評価した国は一つもなかった。
一方、「アングロスフィア」と呼ばれる英語圏の国では、トランプへの信頼度の方が高いことも分かった。ただし、結果は驚くほどの僅差となっている。
・オーストラリア: 27%/ 29%
・カナダ: 19%/ 22%
・英国: 19%/ 22%
トランプが信頼度でプーチンを大きく上回ったのは、フィリピン(69%)、ナイジェリア(58%)、イスラエル(56%)など。
米国の方が「脅威」?
全調査対象のうち、ロシアの国力と影響力を「自国にとっての脅威だ」と答えた人の割合は31%(中央値)。中国に対してそのように感じる人の割合も、同水準となった。一方、米国は同35%だった。つまり、米国はロシア以上に、国際的な問題に干渉していると見られているということになる。
それでも、全体としてはロシアに対する否定的な見解が大方を占めた。特に、アジア太平洋地域や中東、サハラ以南アフリカ、中南米では同国に対する見解が割れている一方で、欧米諸国では批判的な見方をする向きが根強い。米国では47%が、ロシアの国力と影響力を自国にとって大きな脅威と考えている。
ロシアに対して過半数が肯定的な見方を示したのは、ベトナム(83%)、ギリシャ(64%)、フィリピン(55%)の3か国だった。