ビジネス

2017.08.17 17:00

自動運転で世界を取る、ウーバーを追放された男たちが見た夢

Photo by Mike Windle / Getty Images

トラビス・カラニックとアンソニー・レバンドウスキーは似たもの同士と言える──。両者ともテクノロジーの熱狂的支持者であり、自動運転のアイデアに取り憑かれ、人生の一時期をウーバーの役員会の重要メンバーとして過ごしたという点で。

カラニックとレバウンスキーの2名はウーバーから追放された。ウーバーの共同創業者で元CEOのカラニックは、相次ぐスキャンダル問題の責任を問われて辞任した。ウーバーの自動運転部門のトップを務めたレバウンスキーは、前職のグーグルから自動運転関連の重要機密事項を盗み出した罪で告発され、解雇処分を受けた。

この2名が公私を問わずいかに親密だったかを示す資料が明らかになった。8月11日に提出された裁判資料には、カラニックとレバウンスキーがやりとりした数百件に及ぶテキストメッセージが含まれている。ニュースサイト「IEEE Spectrum」はその内容を入手して掲載した。

カラニックとレバウンスキーは、レバウンスキーがグーグルを退職後に設立したOttoを、ウーバーが2016年8月に買収する以前から親密な交流を持っていたようだ。二人はまるで兄弟のような口調でお互いを呼び合い、競合企業やメディアの報道に不満をぶちまけ、イーロン・マスクを罵っていた。

レバウンスキーは時に、深夜にウーバーのオフィスの秘密の階段を使ってカラニックの部屋を訪れ、秘密の会合を行っていたようだ。

二人は競合企業の報道がメディアに出る度にそのリンクを送りあっていた。車載Androidプラットホームの「Android Auto」を搭載した全車両に、ナビゲーションアプリのWazeが採用されるとのニュースが出た際にレバウンスキーは、カラニックに「これはまずいことになった」とメッセージを送った。

グーグル傘下のWazeはその後、通勤客向けの相乗りサービスを展開し、ウーバーの競合の一つとなった。
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編集=上田裕資

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