ストーンの収入の大部分は、世界で3億6900万ドル(約409億円)の興行収入を生んだ『ラ・ラ・ランド』の出演費だった。同作品で、ロサンゼルスのカフェで働きながら女優を目指し奮闘する女性を演じて絶賛を呼んだストーンは、今年のアカデミー賞で主演女優賞を獲得した。
受賞直後のインタビューでストーンは、役柄と自分の人生との共通点をこう語っている。「私は15歳の時にここに移り住んで、オーディションを受け始めた。次から次へとオーディションを受け続けるのがどんな気持ちは分かっていた」
そんな彼女の努力が、正式に報われた。ストーンの過去12か月間の収入は、額面と前年比増加幅の両方で世界一となった。
2位は2550万ドル(約28億3000万円)を稼いだジェニファー・アニストン。主演の人気ドラマ『フレンズ』が終了してから10年以上経った今も休むことなく銀幕を飾り続けているが、その収入の大半はエミレーツ航空などの広告出演費だった。さらに、株主だった化粧品ブランド「リビング・プルーフ」がユニリーバに買収されたことも、収入増加につながった。
昨年まで首位だったジェニファー・ローレンスは、3位に転落した。主演の人気映画『ハンガー・ゲーム』シリーズ終了に伴い、年収は前年からほぼ半減したが、それでも2400万ドル(約26億6000万円)もの額を稼いでいる。ここ1年の収入は、封切りが待たれる『Mother!』と『Red Sparrow』のスリラー映画2本(いずれも原題)からの報酬や、ファッションブランド「ディオール」の広告契約などによるものだった。
今年唯一の新顔は、英女優のエマ・ワトソン(6位)だ。ここ1年の主演作では『The Circle』が不調に終わったものの、ディズニー映画『美女と野獣』の興行収入は今年これまでに公開された全映画作品の中で最高の12億6000万ドル(約1400億円)を記録し、ワトソンの年収は1400万ドル(約15億5000万円)となった。
ランキング入りした女優たちの年収総額は1億7250万ドル(約191億円)で、昨年の2億500万ドルから16%減少。だがこれは、映画に登場する女性キャラクターの少なさに鑑みればすばらしい額だ。2016年の調査によると、映画でせりふが与えられている登場人物のうち、女性の割合はわずか28.7%だった。
さらに注目すべきなのは、演じられる役柄が若手よりも限られる年齢40歳超の女優たちが、今年のランキングの半数を占めていることだ。こうした女優らは、演じる役柄を自分自身で作り出している。例えば、42歳で6位に入ったシャーリーズ・セロンは、5年前から企画を温め続けた映画『アトミック・ブロンド』でプロデューサーと主演を務めた。