世界を目指すクリエイターのプライベートタイム

チームラボの猪子寿之とジュンハシモトの橋本淳


猪子:ハンティングとか超嫌い! 面倒くさい。すごく素敵な人がいたとしても、恋愛に発展させるためにはまず食事に行かなきゃいけないじゃないですか。「この店どうかな?」って考えたり、アポとったりするの、もう嫌なの。僕はずーっと仕事しているから、とにかく睡眠時間がほしい。それだけ。飛行機の中で寝ることも多いから、ゆっくり休みたい。

橋本:誰かと食事に行ったりすることは?

猪子:ほとんどないです。会食も、友達と飲みに行くことも。

橋本:同感です。僕も基本的に会食は苦手。人を誘うのが嫌いなんですよね。すごく忙しそうな人を前にすると「あ、僕なんか」って思っちゃうし、逆にしょうもないやつだと時間がもったいないし。

猪子:むちゃくちゃ性格悪いですね(笑)

橋本:猪子さんに言われたくないわ(笑)あ、でも、人に誘われたら行きますよ。自分では予想していなかった何かが、思いがけない形で仕事につながっていくから。…って言っても、こんなスタンスなんでなかなか誘われませんけどね(笑)

──最後に、お二人が目指している未来像を教えてください。


猪子:チームラボというアート集団が、21世紀前半の「人類に最も影響を与えたアーティストの一つ」になれたらいいなって思っています。20世紀前半だったらピカソ、とか、時代によってあるじゃないですか。

橋本:ブランドの醸成には時間がかかりますよ。「ジュンハシモト」もそうでしたから。

猪子:橋本さんはどんな目標があるんですか?

橋本:選ばれるブランドであり続けたいですね。人を雇うとき、同じ能力だったらオシャレでパリッとした人を選ぶじゃないですか。どろーんとした、もっさもさの人じゃなくて。でもスッとした人がいたら、そっちを採用するでしょ。ダサいのは嫌、でもやりすぎも嫌、ちょうどいいところで「それいいやん」って言われるブランドでありたいですね。

猪子:仕事上ダサいって思われるとまずいですからね。でもそういう人って、日本は割と少なくないですか?

橋本:ブランドが傷つきますからね。

猪子:だから、もっと海外に目を向けたほうがいいですよ。日本だと面接のフォーマットが決まってるけど、海外は自由でしょ。絶対ニーズがあると思う。それに、僕みたいにしょっちゅう飛行機乗って出張している人なんて海外に腐るほどいるから。別に僕は特別じゃない。

橋本:なるほど、そういうターゲットがあった。イメージを持つのって大事ですね。でもそれ本気で考え始めたら、僕も眠れなくなりそうですけど…(笑)

猪子:うん、大丈夫。もっと仕事しよう!!


猪子寿之/チームラボ代表◎1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。https://www.teamlab.art/jp/

橋本淳/ジュンハシモト デザイナー◎1992年、地元徳島のセレクトショップにてアメリカ古着からヨーロッパのインポート物までを仕入、販売。1996年、レクレルール日本一号店にてバイヤーを務める。2000年、バイイングを通じ親交のあったカルペ ディエム(C DIEM)のデザイナー マウリッツォ・アルティエリに共感し、イタリアに渡る事を決意、単身イタリアに渡る。カルペ ディエムを運営する会社にて初の外国人スタッフとし、営業・企画に携わりながら、服作りを学ぶ。2003年、CARPE DIEM(CDIEM)の代理店を設立するため帰国。2004年、ショールーム「wjk」を設立。2008年、自身のブランド「ジュンハシモト(ジュンハシモト)」をスタート。

インタビュー=谷本有香 構成=華井由利奈 写真=藤井さおり

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