ビジネス

2017.08.31

1週間のうち4時間を自由に使える、米企業の「働きがい向上」策

「Pitch day」を開催し、従業員のやる気を高めるとともに、新規事業の創出も高める。

1985年に創業。米ミシガン州に拠点を構え、住宅ローンの貸付事業を手がけている「Quicken Loans(クイックンローンズ)」。デロイトユニバーシティプレスによれば、同社は「良い顧客サービスを提供するには、従業員エンゲージメントの向上が重要である」と考え、さまざまな施策を展開している。

例えば、「Bullet Time」や「Pitch Day」といった施策がある。

Bullet Timeは1週間の業務時間のうち、4時間を自由に使っていいというもの。考え方はグーグルの「20%ルール」と同じだ。その時間は、クイックンローンズの事業に直接関係がないサービスの開発に充ててもいい。自由に自らのアイデアを試す時間を設けることで、従業員の働きがい向上につなげる意図がある。

Pitch Dayは社内のビジネスコンテストのようなものだ。自社の事業をさらに成長させていくビジネスアイデアをチームで考え、約300人の従業員の前で発表する。最優秀賞を獲得したチームは、有給休暇が与えられ、実際にビジネスアイデアを具現化させていくことが求められる。こうして定期的に新規事業を創出する機会を従業員に与えているのだ。

そのほか、毎月、最大20人の従業員がクイックンローンズのCEOであるウィリアム・エマーソンと一緒にランチを食べる会を設けている。そこでは、CEO自身についてのことから、社内で起きている些細なこと、また会社をどうやって良くしていくかといった議論のやり取りまで3時間ほど議論が行われる。

企業は従業員に出来る限り、長く働いてほしい。クイックンローンズは従業員専用のフィットネスセンターをつくり、健康面をサポート。また、医療保険の適用範囲も広くすることで、万が一何かあった際も安心して働けるようにしている。

クイックンローンズの「長く、安心して働ける環境づくり
・独自のリーダーシップ開発プログラムを導入
・不妊治療と自閉症も医療保険の適用範囲内に
・健康的に働けるアメニティを用意

文=Forbes JAPAN編集部 写真=ラミン・ラヒミアン

この記事は 「Forbes JAPAN No.37 2017年8月号(2017/06/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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