ビジネス

2017.08.17 12:00

米ローカルスーパーの店員がみなイキイキしている理由

Wegmansの従業員は柔軟にスケジュールを変えられるほか、興味のあるポジションに異動できる。

1916年に創業。100年以上の歴史を持つ、スーパーマーケットチェーンの「Wegmans(ウェグマンズ)」。同社はニューヨークなど6州に92店舗を展開している。ウェグマンズは米フォーブスが2017年に発表した「America’s Best Employers」で、10位に選ばれている。

ウォルマートのように全米に展開しているわけではないローカルのスーパーマーケットチェーンがなぜ、注目されるのか。その理由を紐解くカギは、ウェグマンズの顧客満足度に対する考え方にある。

顧客満足度を高めるには、従業員満足度を高めなければならない──これが、ウェグマンズの経営の基本にある。

従業員満足を高めるため、数多くの施策を行なっている。同社には各店舗に30の部署、500名以上の従業員がおり、学業や病気などの私用を理由に仕事を休みたい場合は、いつでもフレキシブルに休める。そのほか、従業員のアイデアを積極的に取り入れるため、本部を通さず、店舗単位で意思決定できるよう権限移譲を推し進めている。

また、キャリア開発にも注力。例えば、週2回、店舗運営、製造、流通といった社内で募集しているポジションを同社のイントラサイトに掲載(毎年約7000ポジション)。従業員の希望次第で、自由に自分の興味があるポジションに異動できるようにしている。

従業員育成にも力を入れており、毎年5000万ドル以上を投資に充てる。マネジメント研修やリーダーシップ開発プログラムの実施、そのほかオンライントレーニングやワークショップを開催するなど、従業員が成長する機会を提供している。

ウェグマンズの「従業員ファースト」の考え

・経営層が店舗を訪れ、社員とコミュニケーションを図る
・EAP(従業員支援プログラム)の導入
・社員は平均6カ月、アルバイトは平均1カ月の研修

ウェグマンズは2016年2月、American Customer Satisfaction Index(ACSI)の小売業界における顧客満足度ランキングでトップを獲得。従業員満足度の向上が顧客満足度の向上にもつながっていることを証明した。

文=Forbes JAPAN編集部 写真=ラミン・ラヒミアン

この記事は 「Forbes JAPAN No.37 2017年8月号(2017/06/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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