「ホワイト企業」がベストな就職先、と考えない理由

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仕事上の知識、スキルや経験がない新入社員は、試行錯誤しながら貪欲に働き、仕事を学んでいく。不効率に働くしかできないから長時間労働になることが多々あるだろうが、20代の意味のある長時間労働はその後のキャリアに大きく貢献する。実力を確実に身につけることによってのみ、前進できる転職や起業が可能になる。

まずは目の前の仕事に没頭してパフォーマンスを出し、求められる人材になって欲しい。チャンスがあればストレッチアサイメントも自ら進んで担い、能力を磨き上げていくのだ。特に女性は出産などの不確定要素があるため、女性だからと遠慮せず、早目に負荷の重い仕事を担わせてくれる企業はありがたい。

就活の時にワーク・ライフ・バランスは考えない。若いうちはそれを求める前にやることがあるのだ。ワーク・ライフ・バランスは与えられるものでなく、貢献したことに対する報酬。良い仕事した後に交渉し、それでも個々人にあった働き方を認めないような会社ならば、辞めることも一つの選択肢だろう。

さて、2015年末、野村総合研究所と英オックスフォード大学との共同研究により、10~20年後に日本の労働力人口の約49%が人工知能(AI)やロボットなどで代替可能だと発表され、社会に深いショックを与えた。

AIの進展はホワイトカラー労働者の雇用だけでなく、組織の在り方も大きく変えていくだろう。残念ながら一昔前に素晴らしく機能した終身雇用や年功序列などの日本型雇用システムは変化の激しいデジタル時代とのマッチングが良くない。また、加速度的なテクノロジーの進展により、大手企業といえども5年後、10年後には存在していないかもしれない。企業は短命化するが、人間は長寿化する現実に対して、大切なことは将来を見据えた準備だ。

必要とされるスキルの価値が急変していくことはわかっている。そのような厳しい現実へのベストな対応策は「常に学び続けること」だ。良いブラック企業では、必要に迫られるからにしても「学び続ける習慣」も身につけることができるのではないだろうか。

今から10年たった時、娘が私を恨んでいないことを願うばかりだ。

文=パク・スックチャ

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