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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

グランツーリズモ・スポーツのイメージ写真

もはや、グランツーリズモの開発チームのやっていることは、革命だ──。

グランツーリズモ(以下GT)は、発売以来20年間で6つのバージョン計7600万枚以上が販売され、売り上げ約4000億円を生んだ驚異的なドライビング・シミュレーター・ゲームだ。しかし、来る 10月下旬に登場する「GTスポーツ」は、 その単なる新バージョンではない。

それは、ハリウッド映画を遥かに凌ぐ域に到達している。まるでSFシリーズ「ドクター・フー」のターディスか、映画「バック・トゥー・ザ・フュチャー」のデロリアンにも匹敵するタイムマシンだ。そして、2020年代初頭に優れたドライビング・ゲームがどうなるのかを、この「グランツーリズモ・スポーツ」は見せてくれる。

先日、東京にあるポリフォニー・デジタル本社で、GTスポーツのプレビューを体験して分かったのは、これほど先鋭的なゲームはいまだ存在していないということだった。GTが20年前にデビューして以来、僕はこれまで6つのバージョンと、他のドライビング・ゲームを体験してきた。それ以上に、GTこそ僕のレース道場でさえあった。

しかし、GTスポーツはそれらを完全に超越している。映像の深さ、コントラスト、鮮明なグラフィクス、リアリズム……そのどれにおいても。レース・サーキットは17カ所、28のレイアウトで、クルマの数は150を超える。

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ソニーのPS4に対応するゲームとして、GTのクリエーター、山内一典と彼のチームは映像テクノロジーをこれまでにないレベルに高めている。つまり4K、HDR、60FPS、ワイドカラーといった新しい技術によって実現したのは、この世界に存在する色、世界のレース・コースの乾いた状態と濡れた状態、朝から夜まで。そして登場するクルマの鮮明な色調には、感嘆するしかない。

1997年のGT誕生から20周年を迎える今、山内は、かつてなかったイノヴェーションとリアリズムを目指したと言う。では、この新作のどこがそんなに先鋭的なのか?

まず、現在のテレビとYoutubeビデオの映像の解像度は、標準的な1080pだが、GTスポーツの解像度はその倍の2160pで、いわゆる4K、ウルトラ・ハイ・ディフィニションだ。映像の深さとピクセルを正確に体験するためには、コントラストと明るさレベルがより高く、カラー・パレットがより豊富なHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)テレビが必要だ。

ともかく、いちばん肝心なのはコントラストなのだ。明暗と影の均差。つまり、GTスポーツは、より明るい白とどれだけ黒い黒を作れるか、に挑んだのだ。テレビの明るさは、ニット(1平方メートルあたり1カンデラ)という単位で計られる。現在、世界の一般家庭にある標準的なデジタルテレビは100ニットで、劇場の映画スクリーンはおよそ1000ニットだ。

しかし、山内がGTスポーツのダイナミック・レンジとして目指したのは、なんと映画の10倍も明るい1万ニットだった。 つまり、彼が作ろうとしているのは、ハリウッドの技術より何年も先の、超先鋭的な領域なのだ。当然、ゲームのリアリズムにも圧倒される。

文=ピーター・ライオン

 

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