Roivant Scienceを率いるヴィヴェック・ラマスワミー(Vivek Ramaswamy)は、ハーバード大学で生物学を学んだ後にヘッジファンドに就職したものの、「投資したい薬が会社の事情で世に出されない」という製薬業界の現実に直面し、自ら医薬品開発企業を立ち上げた経歴で知られる。
ラマスワミーが2014年に設立したRoivant Scienceは傘下に様々なバイオ薬品企業を持ち、認知症の治療薬開発を行うアクソヴァント(Axovant)をはじめ、感染症治療薬のArbutus、女性の内分泌系疾患治療薬のMyovant、皮膚病治療薬のDermavant、泌尿器治療のUrovantといった先進的医療企業らをグループに抱えている。
現在32歳のラマスワミーはかつてフォーブスの「30アンダー30」(30歳未満の重要人物)に選出され、2015年には米国版フォーブスの表紙を飾っていた。彼はバイオテック業界の優秀な人材を次々と会社に招き入れ、その中にはがん医薬品企業のメディベーションをファイザーに140億ドルで売却したDavid Hungも含まれる。
また、最近ではバイオ薬品大手のセルジーンでCFOを務めたJacqualyn Fouseを、傘下のDermavantの会長として招き入れた。
ラマスワミーが2015年に上場させたアクソヴァントは、9月にアルツハイマー治療薬intepirdineの臨床試験結果の発表を控えており、関係者から大きな注目を集めている。
今回の出資にあたりソフトバンクグループ・インターナショナルのAkshay Nahetaは声明で次のように述べた。「Roivantは世界レベルの人材を率い、バイオテック技術で医療業界のニーズに応えようとしている。我々はRoivantの野心的試みに大いに共感し、彼らの次のステップを支援していきたい」