自分では嫌いな性格的特徴、見方を変えれば「強み」に

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・型破り

芸術や文学、科学など特定の分野では型破りな思考が相当に重視されるが、一般的にはそうとは言えない。型破りな思考は現在でも、それが大切にされるべき場所、つまり学校でも、押さえつけられたり、罰せられたりしている。学校では、興味深い考え方以上に「正しい答え」によって報われことが多い。

長年にわたって創造性に関する研究を続けているある研究者によれば、学術界や政界、文学界においても、そして起業家たちの間でも、成人後の成功との関連性は、子供のころの創造性の方が知能指数(IQ)より3倍高いことが分かっている。

型破りな考え方を大切にし、それを自分が重視する分野にあてはめる方法を見つけ出すことができれば、それは最終的に、型にはまった考え方よりはるかに貴重な性格的特徴だといえるようになるかもしれない。

・自問・自己反省する癖

自問し自己反省しすぎることは、自己不信と効率の悪さにつながる。だが、理解しているつもりのことに対しても「過信」せず、間違っている可能性もあると意識しておくことは、仕事においても人間関係においても、私たちをより良い状況に置いてくれる。

今年発表されたある研究結果によれば、自らの知性や信念(信条)について謙虚であり、不完全さを持つ可能性を認めることができる「知的謙虚さ」は、数多くの望ましい性格的特徴と関連していることが分かっている。自分自身を評価し見直すことで、私たちはさらなる成長を実現することができる。

・注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD)があることは、非常に強いストレスを抱えているということだといえる。だが、科学や音楽、スポーツなど多くの分野で大きな成功を収めた人たちには、この障害を持つ人が多い。当然ながら、ADHDには前向きに受け止めるべき点もあるということだ。

矛盾するようではあるが、ADHDがもたらす最大の強みともいえるものの一つが、「過集中」と呼ばれる症状だ。ADHDがある人の多くは、関心のある一つのことに何時間も集中し続けることができる。ADHDと診断されれば、薬による治療や行動療法が必要だ。だが、ごく普通の人たち以上にできることがあるということを、認識しておくべきだ。

・心的外傷・精神的苦痛の経験

私たちの多くには、それによって自分の価値が損なわれたと考えるような経験がある。だが、実際にはそうした経験によって、私たちが得ることもある。痛みを伴う状況を経験することは、私たちを強くし、人に共感する能力や意欲を高めてくれる。

心的外傷がうつや心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因になることは確かだが、それを抱える人を前進させる力になることも多い。命に脅かすような経験は、それを乗り越えた人の前進する力にもなる。「あの恐ろしい経験に耐えられたのだから、これから何でも乗り越えられる」と考えられるようになるのだ。

自分の「良くない」性格的特徴について、悪いばかりだとは思わないことだ。その特徴の中にも、いくつもの良い点があるはずだ。

編集=木内涼子

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