キャリア転換を恐れない米ミレニアル世代 人気の転職先業界は?

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私たちは常に、自分とは違う世代の人々に疑いのまなざしを向け、共通点や(恐らくそれ以上に)相違点を見いだしている。1980年から96年の間に生まれた「ミレニアル世代」と、それ以降の「ジェネレーションZ」世代を見てみると、他世代とは明らかに違う点が1つある。若者世代は、幸せになるためにキャリアの大転換もいとわないのだ。

求人情報も提供するビジネス向けSNSのリンクトインがまとめたデータによると、ミレニアル世代は他の世代と比べ、転職のため勤務地域を変更する傾向が50%高く、業界を変える傾向も16%高かった。

だがミレニアル世代はなぜ転職をするのだろう? リンクトインが昨年実施した調査によると、最大の原因は、昇進の道が見いだせず、与えられた機会に不満を抱いていることだった。

ミレニアル世代は、1社でキャリアを築こうと苦労するのではなく、常に他の機会を模索し、チャンスがあれば即座に転職する傾向がある。転職の理由には他にも、報酬や福利厚生への不満があった。

ミレニアル世代が転職に当たってどの業界を選び、どの業界を去っているのかを見てみると面白い。以下は、リンクトインのデータに基づいた、ミレニアル世代の流入・流出度が高い業界トップ5だ。(かっこ内は転職者全体に占める比率)

<ミレニアル世代が流入した業界>
1位 テクノロジー・ソフトウエア(9%)
2位 医療・製薬(7%)
3位 金融サービス・保険(7%)
4位 航空・自動車・運送(5%)
5位 建築・工学(5%)

<ミレニアル世代が流出した業界>
1位 小売・消費財(11%)
2位 政府・教育・非営利分野(8%)
3位 メディア・エンターテインメント(6%)
4位 石油・エネルギー(4%)
5位 通信(3%)

2016年に転職したミレニアル世代に最も人気だった業界がテック分野だ。転職先の職種は開発者やシステム構築者に限らず、テクノロジー関連のさまざまな仕事が含まれる

リンクトインはテック業界人気の理由として、同業界の成長と魅力的な手当以外に、ミレニアル世代の技術スキルの高さを挙げている。非ミレニアル世代と比較し、ミレニアル世代ではソーシャルメディアのスキル保持者が349%多かったほか、C言語やC++言語のプログラミングスキル保持者も121%多く、統計分析やデータマイニングのスキル保持者が117%多かった。
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編集=遠藤宗生

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