ビジネス

2017.08.10

GMが狙うシリコンバレーの頭脳 現役幹部が語る才能発掘の舞台裏

GMのメアリー・バッラCEO(Photo by Julien de Rosa/IP3/Getty Images)


GMは長年、ミシガン州ウォーレンにあるテクニカルセンターで先進的な技術の研究を行ってきた。スミスによると一定の成果はあげたが、商業化に至らなかったケースも少なくないという。こうした反省を踏まえ、同社は2012年から研究開発の方針を大きく転換した。

グーグルやアップル、テスラ、ウーバーなどのシリコンバレー企業が自動車業界において存在感を増す中、GMも新たな研究開発の取組みを加速させている。スミスの研究者たちに対するメッセージはシンプルだ。

「ゲームを変えるようなテクノロジーを、商業化させねばならない。それは、従来よりも格段に進化し、大きなインパクトを与える革新的なテクノロジーでなければならない」

今回のピッチコンテストでGMが関心を示した企業の一社は、ボルチモアに本拠を置く「Factory Four」で、3Dプリンティングを用いた生産技術を開発している。もう一社は、オレゴン州ポートランドを拠点とする「VR Motion」で、VRを用いた運転訓練シミュレータを開発している。

年初に開催された500 Startupsのイベントで、GMはバンクーバーに本拠を置く「UrbanLogiq」という企業を発掘し、現在は協業を行っている。UrbanLogiqは、交通情報や渋滞情報をGMなどからリアルタイムで入手し、都市計画に役立てる活動を行っている。GMは、同じイベントで「Preteckt」というメンフィスに本拠を置くスタートアップも発掘した。同社は、トラックに取り付けたセンサーから入手したデータをクラウドで分析し、故障の予兆を検知し車両のメンテナンスに役立てている。

編集=上田裕資

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