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2017.08.12 11:30

ジェシカ・アルバも使うNYの高級コワーキングスペース「Blueprint + Co」

ジェシカ・アルバ(Photo by NBC / gettyimages)

ジェシカ・アルバ(Photo by NBC / gettyimages)

米国で人気のテレビ番組「Shark Tank(シャークタンク)」の出演者で、投資家のデイモンド・ジョンは高級コワーキングオフィスの「Blueprint + Co」をニューヨークのマンハッタンに開設した。

シャークタンクは米国版のマネーの虎として知られる番組。そこで舌鋒鋭く起業家らを叱咤するデイモンドが、KnotelやWix Loungeらの競合の参入相次ぐコワーキングオフィス市場に乗り込んだのだ。

この分野ではWeWorkが企業価値200億ドル(約2.2兆円)とされ、マンハッタンだけでも35ヶ所に施設を構えている。しかし、Blueprint + Coは調達資金総額、もしくは年間売上が25万ドル(約2700万円)以上の企業のみを顧客としている。

ジョンによると既に入居が決定した企業の大半は年500万ドル以上の売上をあげており、企業価値が10億ドルに達する企業もいくつかあるという。Blueprint + Coはレイトステージのスタートアップに加え、ニューヨークにオフィスを持ちたい大手企業や、世界レベルのエグゼクティブらにサービスを提供したい意向だ。また、社内のイノベーションチームに本社とは別に、独立した拠点を持たせたい企業の利用も見込んでいる。

「テクノロジー業界はあらゆる分野を光の速さで変革していこうとしている。自社のオフィスに閉じこもり、代わり映えのしない相手とばかり交わっていたら時流から取り残されることを、人々はもっとよく理解するべきだ」とジョンは言う。

Blueprint + Coは既に70社に利用され、顧客にはジェシカ・アルバのThe Honest CompanyやEコマース支援のShopify、プラスサイズに特化したファッション企業のAshley Stewartらが居る。月額利用料金は275ドルから1000ドルとなっている。

メンバーに出資を持ちかけるのは禁止

Blueprint + Coは2万スクエアフィート(約1858平方メートル)のペントハウスをマンハッタンの39thストリートに構えている。屋上からはミッドタウン全体が眺望でき、イベントスペースとして2つのテラススペースも利用可能。メンバーらは会員限定のカンファレンスにも参加でき、最近ではスナップやフェイスブック、ツイッターの初期投資家として有名な連続起業家のゲナディ・ヴェイナチャックをゲストに招いた。

Blueprint + Coでは入居者らに対し、他のコワーキングスペースのように特許権や資金調達などの基礎的知識をレクチャーすることはしない。また、他のメンバーに直接、出資話をもちかけるのは禁止されている。ジョンによると、Blueprint + Coは「ビジネスコンシェルジュ」的なサービスを提供し、企業ごとのニーズに応えるという。また、利用者同士のコラボレーションを促進し、ニーズの合う利用者同士をマッチさせる。

Blueprint + Coは有名企業の利用も多いが、ジョンは設立間もないスタートアップのニーズにも応えていきたいという。彼はDaymond On Demandと呼ばれるウェブベースの起業家育成プログラムを運営するほか、ニューヨークタイムズのベストセラーとして紹介された著書「The Power of Broke」でも知られる。また、最近では若い起業家向けの新たな著作「Rise And Grind」を出版したばかりだ。

編集=上田裕資

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