中でも特徴的なのが、会話型AIプラットフォーム「Conversica(コンバーシカ)」を活用している点にある。このConversicaは、簡単にいえばセールスレップ(営業代理人)のような存在。自分の名前はもちろん、専用のメールアドレスやリンクトインのプロフィールを持ち、営業マンの代わりに見込み客に対してメールを送信してくれる。
なぜ、このツールを導入したのか。BoxのSVP兼最高マーケティング責任者である、キャリー・パリンはこう語る。
「営業マンが全ての見込み客に対し、アプローチするのは現実的に不可能。そのため、見込み客を開拓するフェーズでは、営業マンを使わず、Conversicaがその役割を担う。実際に反応があり、見込み客と打ち合わせを行うフェーズに入った段階で、営業マンが登場します。本当に必要な段階で貴重な人材を使いたいという意味合いもあり、導入を決めました」
ただし、Conversicaの活用は新規客の開拓に限定している。
「多くの営業マンはクロージングは好きですが、パイプラインをつくるのはあまり好きではありません。であれば、そこはAIに担ってもらいましょう、と。うまくパイプラインをつくり、最後は優秀な営業マンがクロージングを行えば、効率よく営業活動を行えるようになります」
キャリー・パリン◎BoxのSVP兼最高マーケティング責任者。企業マーケティングおよび販売に関して豊富な経験をもち、IBM社にて分析ソフトウェア等のマーケティング担当バイスプレジデントを務めた。