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2017.08.11 15:00

古き良きアメリカの象徴「コルベット」の進化に見るGMの底力

シボレー・コルベット・クーペZ51(photograph by Tsukuru Asada (secession))

今でこそ、フォルクスワーゲンとトヨタが世界一位の座を狙ってしのぎを削っているが、2008年にその座を奪われるまで、77年もの長きにわたって、世界一の自動車メーカーとして君臨していたのが、ゼネラルモーターズ(GM)だ。

2016年の段階でも、GMの年間販売台数は1000万台であり、1031万台のフォルクスワーゲン、1017万台のトヨタと共に、いわゆる”1000万台クラブ”の一員と言っていい。ルノー・日産アライアンスに三菱を加えて、ようやく996万台。メルセデス・ベンツ、アウディ、BMWといったジャーマン・プレミアムが、軒並み200万〜300万台あたりという事実からも、GMは今もって自動車業界の巨人と言える存在だ。
 
さらに、GMの中でも、シボレーは最も普及しているブランドだ。小型車からフルサイズSUVまでフルラインナップを揃えるのみならず、同社を代表するスポーツカーとして60年以上の歴史を誇る「コルベット」も属している。

アメリカ人にとって、このクルマは、色褪せることのない古き良きアメリカの象徴だ。初期こそ、直6エンジンを積んでいたものの、V8エンジンを搭載した後輪駆動の2シーター・スポーツカーという基本は7代目となる現在まで連綿と受け継がれている。 

翻って、現代の「コルベット」では古き良きアメリカの遺伝子を受け継ぎながらも、現代の要素を取り込んでいる。ボディにカーボン複合材を使う伝統を継承しつつ、軽量素材を奢り、パワフルな新型V8エンジンを搭載。日本で操るには大ぶりに思えるが、実は4510×1880×1230mmに過ぎない。

そもそも、「コルベット」とは小型の巡洋艦の意。小型でパワフルなクルーザーのごとく俊敏さも兼ね備える。そんな現代的になった「コルベット」の姿は、77年もの間、王座に君臨したGMの底力を感じさせる。

DATA
駆動形式:後輪駆動
全長:4510mm
全幅:1880mm
全高:1230mm
最高出力:466PS/6000rpm
価格:9,940,000円(7MT)から
問い合わせ:GMジャパンカスタマー・センター(0120-711-276)

「カマロ」6代目となる新型は、年内に日本上陸予定!
1953年に登場した「コルベット」がアメリカの古く良き時代の象徴であるのに対して、1967年に登場した「カマロ」は、スリークなスタイリングにパワフルなエンジンを搭載したアメリカン・マッスルカーの典型だ。



初代から現在に至るまで、後輪を駆動する形式を採り、2+2というレイアウトを採用している。スポーツカー不遇の時代になり、2002年には一旦、生産中止となった。

しかし、初代にオマージュを捧げたレトロモダンなコンセプトカーを発表するやいなや、ファンからの熱烈なラブコールが集まり、7年間の沈黙を破って、2009年に5代目が復活。そして、すでにアメリカ本国では6代目となる新型「カマロ」が発表されており、日本にも年内に上陸する予定だ。

一回り小さいボディに軽量素材を奢り、90kg以上のダイエットに成功し、従来のV8とV6に加えて、2L直4エンジンも追加され、これまでにない軽快な走りが予想されている。

text by Yumi Kawabata edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN No.37 2017年8月号(2017/06/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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