「クライナー・パーキンスは、私にとって常に特別な存在だった。名門VCに参画し、優秀な同僚たちと働けることは、私のキャリアにおいて非常に価値のあることだと感じた」とハミドはインタビューで答えている。
Social Capitalは、ヘッジファンドを立ち上げるなど順調に成長を遂げてきたが、ハミドはベンチャー投資に専念したいと考え、クライナー・パーキンスへの移籍を決心したという。
クライナー・パーキンスがハミドに期待するのは、低迷するベンチャー投資を復活させることだ。関係筋によると、同社のパートナーの多くは投資経験が少なく、判断ミスによってSaaSへの投資案件でライバルの後塵を拝してきたという。同社は、Slackへの投資を成功させたハミドを獲得したことで、今後はより大きなエグジットが見込めるアーリーステージ投資を増やしたい考えだ。また、ハミドの名声は、若くて優秀な人材の獲得に貢献することも期待される。
ハミドのクライナー・パーキンスへの移籍はAxiosが最初に報じたが、彼が育児休暇を取得したため、正式発表は延期されていた。
「クライナー・パーキンスのブランドや伝統に、自分自身の投資ノウハウを融合できることにとても興奮している」とハミドは述べている。クライナー・パーキンスの目標は、20年前のようにベンチャー投資でトップの座に返り咲くことだが、ハミドは慎重な姿勢を崩さない。
「ベンチャー投資は、急激に成果を挙げられるものではない。一つ一つの案件をしっかり実行していくことに尽きる」と彼は話す。