採用関連ソフトウエアを開発する米企業ジョブバイト(Jobvite)がミレニアル世代を対象に実施した最近の調査からは、キャリアに対する考え方にはいくつかの点で明白な男女差があり、同世代の女性たちは社会人生活をバラ色の眼鏡を通して見ていないことが明らかになっている。
ミレニアル世代で、仕事を2つ掛け持ちする必要性に迫られたことがあると回答した割合は、女性が67%、男性は44%だった。
自分の車に他人を乗せて送迎する仕事をすることで、自分の夢を追い求めるための自由が生まれる、という「ギグ・エコノミー(単発の仕事で成り立つ経済形態)」のマーケティングメッセージを信じる割合は男性回答者の方が高く、39%が自分の情熱に基づいた「サイド・ハッスル(副業)」をしたことがあると回答。一方、女性ではこの割合はわずか20%だった。
ジョブバイトの調査結果は、ハイパーウォレット(Hyperwallet)が最近行った調査でも裏付けられている。ギグ・エコノミーで働くことに関する女性の見解を調べた同調査で、ギグワークの利点として最も多く挙げられたのが、時間の融通と収入のコントロールがきく点だった。欠点としては、92%の女性が収入の不安定さ、88%が福利厚生の欠如を挙げた。
ジョブバイトの調査結果では、ミレニアル世代の男女の約3分の1が、自分が就きたいと望む仕事であれば収入が10%減っても構わないと答えた一方で、25~50%の収入減もいとわないと答えた数は男性が女性の2倍以上だった。
フルタイム職員の男女間賃金格差は大学卒業後わずか1年で明確に表れることから、ミレニアル世代の女性は、たとえそれが夢の仕事であろうと、収入をさらに減らせるような状況に自分はいないと感じているのかもしれないと、ジョブバイトは指摘している。
ミレニアル世代の女性は、仕事に求めるものについても現実的だ。ワークライフバランスと社風が重要だと答えた人の割合は、男性よりも女性の方が多かった。
女性は依然として家事の大半を担っているし、メディアではここ何か月にわたりテクノロジー業界の根強い女性蔑視と腐敗した企業風土が取り沙汰されてきた。調査で示されたミレニアル女性にとっての優先事項は、キャリアの初期段階にある彼女らが、どんな企業であれば自分が最も生き生きと働けるかを、鋭い目を持って見定めていることを示しているようだ。
最後に、ジョブバイトの調査では、トランプ政権下での自分の就職活動に関する展望についても尋ねた。これに関しては、ミレニアル世代の女性は悲観的と言えるほどの現実主義は見せていない。就職事情はトランプ政権下で悪くなると答えた女性はほぼ50%に上った一方、男性はわずか25%だった。