同ランキングの目的は、教育の投資回収率が最も高い大学や教育機関を示すことにある。評価基準となったのは「教員の質と学生満足度」「留年なしの卒業率」「学生ローン額の低さ」「卒業後の収入とキャリアの成功」の4項目。一方で、大学の雰囲気や立地、課外活動、専門や研究機会など、学生の心をつかみ得る特徴は考慮していない。
ハーバード大は2015年の6位、昨年の4位から順位を上げ、10年前に始まった同ランキングで初めて首位に立った。全米最古の高等教育機関である同校には、優秀な学生・教職員が世界中から集まる。
同校の4年卒業率は87%。6年以内に卒業する学生は97%だ。卒業生の中堅職員時の給与中央値は12万3000ドル(約1360万円)で、学生ローンの中央値は約7500ドル(約83万円)だった。また、本誌の米長者番付「フォーブス400」に入る卒業生の数が多く、米大統領も7人輩出している。
昨年1位のスタンフォード大学は2位に転落。3位以下はエール大学、プリンストン大学、マサチューセッツ工科大学が続いた。
米非営利組織のカレッジ・ボードによると、2016-17年度の学費・手数料・寮費・寮の食費の年合計額平均値は、公立大学の州内学生が前年比2.7%増の2万90ドル(約220万円)。公立大学の州外学生は3万5370ドル(約390万円)、私立大学は4万5370ドル(約500万円)で、いずれも前年比3.4%増となった。
今年のランキングでは評価の大枠は維持しつつも、評価手法と基にするデータの一部を再検討し、フォーブスが最も評価する「投資回収率」「リーダーシップと成功」「学生の消費者としての満足度」に沿ったランキングを作成した。
データと評価基準の変更に伴い、STEM分野(科学・技術・工学・数学)や専門性のある教育機関が大きく躍進。カリフォルニア工科大学は順位を33上げて初めてトップ10入りを果たした。
兵役に従事する代わりに最高レベルの教育を無料で受けられる軍士官学校は引き続き高い順位を保持。一方で、リベラルアーツ系の大学は苦戦を強いられた。また、公立大学の順位は全体的に向上したものの、ランキング上位は「アイビーリーグ」8校を含む東西海岸部の名門私立校が依然として多数を占めている。
2017年のトップ20校は次の通り。(かっこ内は所在州)
1位 ハーバード大学(マサチューセッツ州)
2位 スタンフォード大学(カリフォルニア州)
3位 エール大学(コネティカット州)
4位 プリンストン大学(ニュージャージー州)
5位 マサチューセッツ工科大学(マサチューセッツ州)
6位 カリフォルニア工科大学(カリフォルニア州)
7位 ペンシルベニア大学(ペンシルベニア州)
8位 デューク大学(ノースカロライナ州)
9位 ブラウン大学(ロードアイランド州)
10位 ポモナ大学(カリフォルニア州)
11位 クレアモント・マッケナ大学(カリフォルニア州)
12位 ダートマス大学(ニューハンプシャー州)
13位 ウィリアムズ大学(マサチューセッツ州)
14位 コロンビア大学(ニューヨーク州)
15位 コーネル大学(ニューヨーク州)
16位 シカゴ大学(イリノイ州)
17位 アマースト大学(マサチューセッツ州)
18位 ハーベイ・マッド大学(カリフォルニア州)
19位 スワースモア大学(ペンシルベニア州)
20位 米海軍兵学校(メリーランド州)