非公開会社なら、CEOが何か誇張して話しても問題にはならない。だが、公開会社は法律に従って決算報告を行う義務を負う。それでもマスクは投資家らに対していまだに、まるで自分がそうした法律とは無関係のようにものを言う。
金融情報サイト、マーケットウォッチによれば、マスク自身も「不正確な発言をしたり、懸念に対して皮肉で返したり(否定したり)することがある」と認めている。
だが、「マスクの世界では、自社の創設以来最も重要な製品の発売に関して報道陣に不正確なことを述べても、実質的な結果を伴う可能性がある何らかの発言をしても、それらは大きな問題ではない」ようだ。それらはテスラが過去にしてきたほかの間違いと同じ、「単なる推測」や「取るに足りないこと」なのだ。
ただし、マスクの誤った発言に実質的な問題があるかどうかを判断するのは、本人ではない。マーケットウォッチが指摘するとおり、それは米証券取引委員会(SEC)であり、実際にSECはこの一年のうちに、すでにテスラに関する調査を行っている。
金融テクノロジーを用いて市場の分析を行うS3 パートナーズによれば、テスラ株はショートポジションを取る投資家が最も多い銘柄となっている。マスクのファンたちは、こうしたことをどう思っているのだろうか。スティーブ・ジョブズのとりこになっていた人たちと同様、テスラの投資家らもまた、「いま目指すことのためにはどのような事実も喜んで曲げる」状態に陥っているのではないかと疑われる。