Abraはあらゆる通貨に対応する送金アプリで、ビットコインでの送金も可能。今回の番組出演と同時にAbraはアップストアのおすすめアプリとしても紹介された。同社CEOのBill Barhydtは「ビットコインを扱うアプリとしては初の快挙だ」と述べている。
Planet of the Appsは、アプリ開発者が企画したアイデアから有望なものを選出する番組。起業家のアドバイザーとしてジェシカ・アルバやウィル・アイ・アムらも出演している。
番組でBarhydtは、女優でライフスタイルブランド「Goop」の創立者としても知られるグウィネス・パルトロウや、SNS業界で最も成功した連続起業家の一人のゲイリー・ヴェイナチャックから支援を獲得した。ヴェイナチャックはP2P送金アプリのVenmoにも出資している。
Planet of the Appsに出演した感想を尋ねられたBarhydtは「こんな事態になるとは夢にも思わなかった。出演者たちがブロックチェーン技術を理解しているかどうか心配だったが、全員がAbraのテクノロジーに関心を示してくれた」と述べた。
Barhydtによるとその後、パルトロウがアドバイザーとして会社に加わったという。「彼女が参加してくれたことは大きな助けになる。パルトロウの人脈は素晴らしいし、非常に参考になる助言を得られる。彼女はコンシューマ向けビジネスを運営する上での豊富な経験を持っている」
エアビー創業者もサービス内容を絶賛
番組内でパルトロウはエアビーアンドビー創業者のブライアン・チェスキーをビデオ会議に招き、Abraが既にアメリカンエキスプレスやFirst Round Capital等の企業から1400万ドルを調達したことを説明した。しかし、Abraの利用者は一日にたった73人しか居ないことを告げられたチェスキーは、Barhydtに対し「全てのユーザーの期待を上回るサービスを提供すべきだ。そうすれば彼ら全員が口コミでAbraの素晴らしさを広めてくれる」とアドバイスした。
Barhydtとパルトロウはその後、ベンチャーキャピタルのLightspeed Capitalのメンバーにプレゼンを行った。Lightspeedの担当者は「こんな凄いアイデアを見たのは初めてだ」と感心していたが、その後、Abraの利用者がまだ少ないことを理由に出資を見送ると説明した。
BarhydtによるとPlanet of the Appsへの出演は、同社の出資者の一人が番組プロデューサーに出演を打診したことがきっかけだったという。Barhydtは出演にあたり、NDA(機密保持契約)にサインをし、膨大な資料を作成した。
「番組に出ることは誰にも話してはならないという取り決めがあった。これまで膨大な時間を番組出演のために割いてきたが、今でも続編の資料として毎日夜中までオフィスでビデオの編集作業にあたっている」とBarhydtは嬉しそうに話した。実際のビデオ編集作業はBarhydtの16歳の息子が行っているという。