乗る人に自信を与える「ポルシェ」新型パナメーラ・ターボ

ポルシェ、パナメーラ・ターボ


V8エンジンは、どの回転域でも溢れるほどのパワーを発揮し、1960回転からトルクはかなり太い。そして、すでに評判となっているポルシェ独自の8速PDKトランスミッションのギアチェンジは絹のようになめらかで素早く、ターボならではの限界なしのパワーを楽しむことができる。
 
ただひとつ、ノイズだけは気になった。外で聞こえるのはスポーツセダンらしい音で、とくに高回転時には高らかに響く。それが室内では、このエギゾースト・ノートがぼやけてしまうのは高級車だからなのか。この快感のサウンドは消さないで欲しいものだ。
 
四輪駆動システムは、路面に食いつくようで、アンダーステアもオーバーステアも完璧に制御してくれるのでドライビングの楽しさを損なうことはない。ポルシェのどのモデルにも共通することだが、充分過ぎるパフォーマンスとブレーキング性能を備えている。コーナリング性能はこのジャンルで一番高いので、性能を70〜80%ほど発揮した時点で体にかかるあまりの引力に耐えかねて、乗員は「もう勘弁して〜」と言うことだろう。

ターボに標準装備のアダプティブ・エアサスペンションは3つの重要な特徴を産む。つまり、どっしり感と素晴らしい乗り心地、そして他のどの高級4ドアセダンよりも優秀なハンドリングだ。
 
日本では、パナメーラ・ターボの価格は標準車で2370万円だが、このポルシェのドライブを最大に楽しむなら、10ピストン付きカーボン・コンポジット・ブレーキとスポーツ・クロノ・パック&エギゾースト、アダプティブ・スポーツシート、リア・アクスル・ステアリングをオプションで装備することをお薦めしたい。

これで2700万円となるが、10ピストン・ブレーキとより速いギア比のステアリングなら、コーナーでのターンインがシャープになり、各段のフィーリングを堪能できる。運転性能がフルに発揮され、この大きなポルシェを操るドライバーにおおいに自信を感じさせてくれること請け合いだ。

文=ピーター・ライオン

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