アップルの株価は翌3日には6%の上昇となり、ダウ平均を史上最高値の2万2000ドルに押し上げる要因の一つになった。「上半期の成果が明らかになった今、アップルの投資家の注目は秋に発売のiPhone 8に注がれている」と投資銀行Drexel Hamiltonアナリストのベン・ホワイトは顧客向け資料で述べた。
秘密主義を貫くアップルは、次期モデルの発売日や機能はもちろん、iPhone の10周年記念モデルとなるこの端末の名前すらまだ明らかにしていない。
アップルCEOのティム・クックは次期モデルの発売に向けての関心が高まっていることを公の場で認め、一部で買い控えが起きていることも認めた。しかし、クックは「買い控えの影響は限定的だ。過去にも同じ懸念があったが、予想を上回る成果を我々はあげてきた」と述べている。
さらに、今回の決済発表で注目すべきはアップルが今後の第4四半期に向けて、強気の見通しを示し、次期iPhoneの発売が通常の9月から大幅にずれ込む懸念を払拭したことだ。第4四半期の売上予測をアップルは490億ドルから520億ドル(約5.8兆円)のレンジに設定しており、アナリスト予測の491億ドルを大きく上回る。この事は、同社が次期iPhoneの発売の遅延や、それによる売上の低下を見込んでいないことを示している。
「サービス部門」売上も過去最高に
投資銀行パイパー・ジャフレーのアナリストのマイケル・オルソンは「今回、アップルが提示した見通しは次期iPhoneの発売が遅れる、もしくは生産台数が低下するという心配を一気に吹き飛ばした」と述べた。
また、もう一つの好材料としてあげられるのが、アップストアやアップルミュージック、アップルペイ、iCloud等のサービス部門の売上が依然好調であることだ。第3四半期にアップルのサービス部門の売上は22%増加し、72億ドル(約8000億円)という四半期あたり過去最高の金額になった。
マッコーリー銀行アナリストのBen Schachterは「サービス部門の売上はiPhoneに次ぐ規模に成長し、アップルのさらなる成長を確実なものにした」と述べている。
アップルの株価は今年に入り38%上昇し、市場平均を大きく上回るリターンをあげている。