iPhoneの値段はなぜ高い アップル「開発秘話」著者が回答

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なぜiPhoneの値段は高いのか──。質問サイトQuoraに寄せられた質問に「たったひとつのデバイス:iPhone開発秘話(The One Device: The Secret History of the iPhone)」 の著者であるブライアン・マーチャント(Brian Merchant)が回答した。

iPhoneは多くのアンドロイドスマホに比べると高価だが、それにはいくつか理由がある。まず、アップルがデザインし、設計しているのはハードウエアだけでない。ソフトウエアも手掛けるアップルは、ユーザーエクスペリエンス全体を統合的に管理している。

サムスンのような競合各社はスマホの本体のみを製作し、OSはグーグルのアンドロイドを使用してきた。それに対しアップルはソフトとハードを融合させるために多くのリソースを用いており、結果的に端末の価格も上がるのだ。

また、アップルはiPhoneをハイエンドモデルとして位置付けてきた。これにより、インドなどの新興国需要は捉えきれていないものの、競合に比べ1台当たりの利益率が非常に高い。この戦略は成功を収め、iPhoneは最も利益性の高い端末となった。

また、世界中からさまざまな金属素材を調達し、手作業で大規模な組み立てを行うため、人件費も非常に高くなる。さらに、ジャイロスコープや加速度計、マルチタッチセンサーやゴリラガラス、自社開発したAシリーズのプロセッサなど非常に高度なコンポーネントで構成されていることを考えると、iPhoneの価格はむしろ安いとも言えなくもない。5年前のコンピューターと比べてもほぼ見劣りしない性能が、スマホ一台分の金額で入手できるのだ。

筆者は現在使用中のiPhoneを649ドルの費用で入手した。この端末はクパチーノのエンジニアのみならず、ボリビアの鉱山労働者や世界中のアプリ開発者、中国の組み立て工場の労働者など、様々な人々の協力の上に成り立っている。そう考えると、現状のiPhoneの価格は決して高くはないと思えてくる。

編集=上田裕資

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