アップルウォッチ売上好調 「前年比50%増」とティム・クック発言

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アップルCEOのティム・クックは、8月1日の第2四半期決算発表の場で、「アップルウォッチの売上が前年度比50%の伸びとなった」と述べた。また、アップルウォッチは競合製品に大幅な差をつけ、世界で最も売れるスマートウォッチとなったと宣言した。

実際の数字は明かさなかったが、これはいつものことだ。しかし、クックは3ヶ月前にもアップルウォッチの売上が倍近い伸びになったと述べており、今回の発言で堅調な売れ行きが確認された形だ。

調査会社Canalysは昨年12月31日までの四半期の、アップルウォッチの売上は600万台だったと推測している。その際にアップルは「過去最高の売上」としていた。今期に関しては過去最高との発言がなかったことを考えると、1四半期あたりの売上は600万台には届いていないのかもしれない。

それでもなお、クックが「競合との大きな差」と発言したことは、アップルウォッチが市場の80%のシェアを握っているという推測がほぼ正しいことを示している。アップルがスマートウォッチ市場で強固な地盤を築いたことに疑いはない。

クックは今回の決算発表で、iPhoneの売上は伸びたものの、新モデルの登場を待つユーザーの買い控え現象が起きていることを認めた。

ここで気になるのはアップルウォッチにもiPhoneと同じ、買い控え現象が起きているのかどうかという点だ。アップルウォッチのハードには、iPhoneのような明確な新モデルの登場サイクルは存在しない。しかし、最新OSのwatchOS 4の今秋リリースを控え、アップルウォッチの新モデルが出るのではという期待も高まっている。

しかし、仮に新モデルが出るとしても、その外観を示すリーク情報がこれまで全く出回っていないことから、新たなデバイスの見た目は現行モデルとさほど変わらないことが予測される。

新OSでさらに機能性を向上

アップルウォッチは2016年9月に第2世代の「Series 2」が発売されたが、外見はほとんど第1世代と変わりがなかった。セラミック製で乳白色の筐体を使用した高級バージョンの「Edition Series 2」も発売されたが、これは生産台数を絞ったモデルで、リーク情報が出回ることもなかった。

クックはSeries 2の発売にあたり、こう述べていた。「アップルウォッチは人々の健康や日々の暮らしに前向きな力を与え、より活動的になろうとするモチベーションを高める。内蔵のGPSや防水機能を備えたアップルウォッチSeries 2はハイキングやジョギング、水泳などの際にも完璧なパートナーとなる」

クックは今年6月の開発者会議WWDCの場でもまた、アップルウォッチについて言及した。「watchOS 4のアップデートにより、アップルウォッチはこれまで以上にインテリジェントなデバイスになる。情報を先読みして表示するSiriの文字盤の搭載や、パーソナライズされたアクティビティコーチング、さらに全く新しい音楽体験を実現する」

さらにwatchOS 4の目玉機能と言えるのが、GymKitだ。GymKitは「有酸素運動器具と接続したワークアウトを実現する画期的なテクノロジープラットフォーム」であるとされている。

アップルはウェアラブル関連製品を決算発表において「その他」カテゴリに含め、そこにはAirPodsやBeatsのヘッドフォン等の製品も含まれている。AirPodsに関しては増産に苦戦し、今でも需要に見合う台数を製造できていないとクックは述べた。その他カテゴリ全体の売上は今四半期に23%の上昇となり、27億ドル(約2990億円)に達している。

クックがアップルウォッチの成功ぶりを誇示する一方で、アップルがこの分野の主導権を握っていることは客観的データからも裏付けられている。アップルウォッチの今後に、大きな可能性が広がっていることは確実だ。

編集=上田裕資

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