ビジネス

2017.08.03

異国で進む「偽トランプ・タワー」建設の野望 フォーブス独自取材

lazyllama / Shutterstock.com


この計画は、大統領の利益相反問題についての新たな懸念を生むものだ。大統領は今年1月、就任中は海外との取引を一切行わないと誓ったが、現在・過去のパートナーたちは皆、話を進めようと躍起だ。こうなると大統領は外交政策決定の際、自身の事業への影響を考慮せざるをえないかもしれない。

世界の「ミニ・トランプ」たちは本家本元のように、世間を騒がせれば騒がせるほど利益が出ることを理解している。

「(米特別検察官のロバート・)モラーがここに来ても全く構わない」とルツヒラゼ。彼は現在カザフスタンでもトランプ・タワー建設計画の復活に取り組んでいる。トランプの顧問弁護士、マイケル・コーエンを現地に招いた上で交渉を進めてきた。「Tタワーと呼んでも、法律的には何の問題もない。メディア対策としては素晴らしいアイデアだ」と語る。

物議を醸してメディアをあおるかのごとく、ルツヒラゼは次のように続けた。「ロシアからモスクワ住民20人を連れてきて、アパートの部屋を買ってもらうからな。そしてプーチンも一室を購入したってメディアに漏らそう。そうすれば大成功だ」。彼は後に、これは冗談だと語っている。

ルツヒラゼはトランプ・オーガニゼーションの首席法律顧問、アラン・ガーテンと「ほぼ毎週」連絡を取っていると主張するが、ガーテンは彼らの野望については把握していないだろう。「マイケル・コーエンからは嫌われるだろうが、アラン・ガーテンからはさらにひどく嫌われるはずだ」とルツヒラゼは話す。

「米議会でも話題を呼ぶだろう。(利益)相反について、皆が寄ってたかって話し始める。最高だ。相反を山ほど作って、やつらを途方に暮れさせるよ」

この問題について、コーエンやガーテン、トランプ・オーガニゼーション、そしてホワイトハウス関係者にコメントを幾度も求めたが、回答は全くない。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事