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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

Andrey_Popov / shutterstock.com

株主資本主義からステークホルダー資本主義へ。競争社会から共創社会へ─。コモンズ投信会長・渋澤健が考える、時代の節目における「新しいお金の使い方」の可能性とは。

「僕らは微力ではあるが、決して、無力ではない」

この勇敢なメッセージの発言主は、NPO法人テラ・ルネッサンス創設者である鬼丸昌也さんです。高校生のときに「すべての人に未来をつくりだす力がある」という教えに感化された鬼丸さんは、大学在学中の2001年にカンボジアで地雷問題に触れ、テラ・ルネッサンスを任意団体として設立しました。現在は東アフリカのウガンダなどでも地雷、小型武器、子ども兵、平和教育という重要課題の解決に取り組んでいる若手の精鋭です。

鬼丸さんとのご縁は5年前。コモンズ投信が毎年10月に開催する「社会起業家フォーラム」に登壇してくださったときからです。その舞台での、素晴らしいメッセージに深く感銘を受けました。

確かに、鬼丸さんが指摘するように「無力」と「微力」は異なります。無力はゼロです。無力は何回足しても、何回掛けても、答えはゼロにしかなりません。しかし、微力は足し算で増えます。掛け算でさらに増えます。つまり鬼丸さんの言葉は、「現在、我々は微力な存在かもしれないが、足し算と掛け算により、世の中を変える勢力になれる」という心強いメッセージなのです。

このメッセージは社会的課題の解決への「壮大な理念」だけではありません。そもそも資本主義の原点にあるものだと思います。

渋沢栄一(1840〜1931年)は、銀行など500社ほどの会社の設立に関与したと言われ、「日本の資本主義の父」と評されています。ただ、本人は、資本主義という言葉を使っていませんでした。よく発していた思想は「合本主義」─。この合本主義とは何でしょうか。

渋沢栄一が初の創設者として知られている銀行。現在において我々が「銀行」という言葉を聞けば、社会においてどのような役目を果たしているかすぐに想像できます。しかし、明治6(1873)年当時、日本人が「銀行」という言葉を聞いても首を傾げたと思います。なぜなら、その年まで銀行は日本には存在しておらず、「銀行」という言葉も造語でした。現在の表現を使えば、当時の銀行は新しいベンチャーに過ぎなかったのです。

文=渋澤 健

 

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