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2017.08.01

テスラ「モデル3」が納車開始、オプション付きの購入価格は?

Photo by Chesnot/Getty Images

米電気自動車(EV)メーカー、テスラは7月28日、新型セダン「モデル3」の出荷を開始、予約注文していた最初の30人に納入した。同モデルの予約台数はすでに50万台を超えており、テスラは生産台数を8月に100台、9月に1500台、さらに12月には2万台とすることを目指している。

最初の出荷分の納車に伴い、同社はモデル3に追加できるオプションとそれらの価格を明らかにした。購入者がこれらを希望すれば、(販売価格を大衆市場向けに抑えたはずの)モデル3にかかる費用は、どのくらい増えることになるのだろうか。

テスラのイーロン・マスクCEOは当初の約束どおり、モデル3を3万5000ドル(約387万円)で発売した。ただ、オートパイロット(自動運転)機能を付けるには5000ドルを上乗せする必要があるほか、「完全自動運転」技術の提供が可能になった時点でそれを導入するには、さらに3000ドルを支払う必要がある。

また、モデル3は1回の充電での航続距離が220マイル(約345km)だが、310マイル(約499km)の長距離用バッテリーにアップグレードしたい場合には9000ドルがかかる。オプションを付けた場合の具体的な購入額は、次のとおりだ。

基本価格(航続距離220マイル): 3万5000ドル
+航続距離310マイルにアップグレード: 4万4000ドル
+オートパイロット機能を搭載: 4万9000ドル(基本価格+40%)
+完全自動運転機能にアップグレード: 5万2000ドル(基本価格+49%)

購入者はモデル3を予約する際、少なくとも以下の2つの点について選択することになる。まず、バッテリーをどちらにするかだ。これについては、多くが航続距離310マイルの「長距離モデル」を選ぶと見られる。そして、その際の4万4000ドルという価格は、モデル3の売り上げを左右することにはならないと考えられる。

さらに、バッテリーを航続距離310マイルにした人の多くは、5000ドルを払ってオートパイロット機能を付けると予想される。その理由として挙げられるのは、長距離を走る人の方が自動運転機能を使う機会が増えること、搭載した方が車の残余価値が高まることだ。

新車購入時には、残余価値は特に考慮すべき重要な点とはならない場合が多いだろう。だが、購入前にさまざまな点について調べ、熟慮すれば、基本価格で購入したモデル3の中古車市場での需要は、それほど高くなるとは見込まれないことが分かるはずだ。

また、モデル3の購入者は自宅ガレージに200VのEV充電用コンセントが必要になることも忘れてはならない。モデル3のオーナーはガソリン代を節約できる一方、購入時にはこうした初期費用も必要となる。

テスラのウェブサイトによると、航続距離310マイルのバッテリー搭載で注文を受けた分については今年11~12月に納車。その後、来年1月〜3月には基本価格の3万5000ドルで予約を受けた分について生産・納車する予定だ。

編集=木内涼子

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