都市の再開発で潤う「カナダのウォーレン・バフェット」

資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントのブルース・フラットCEO

ニューヨーク・マンハッタン島の西側で高層ビル群やホテルを建設するプロジェクトが進んでいる。総工費50億ドルにも及ぶ「マンハッタン・ウェスト」である。

施主はブルース・フラットCEO(51)率いる資産運用会社「ブルックフィールド・アセット・マネジメント」。あまり知られていないが、そのポートフォリオは雄弁だ。ロンドンのカナリー・ワーフやベルリンのポツダム広場をはじめ、世界各地の不動産を所有。全体で4億平方フィートに達する。それも不動産だけだ。フラットの本当の狙いは「インフラ」の方にある。

「今後25年、インフラが機関投資家にとっての資産になるでしょう」

事実、同社はアメリカ大陸にある82の河川に建つ218の水力発電所のほか、各国の港湾や有料道路も運営している。マンハッタン・ウェストでも、インフラ事業で35兆ドルの商機を見込んでいる。

長期投資の手法から“カナダのバフェット”と呼ばれるフラット。「3年で25%よりも、20年で15%のリターンを狙います」と語る。

ブルース・フラット◎カナダ・トロントに拠点を置く資産運用会社「ブルックフィールド・アセット・マネジメント」のCEO。前身のインフラ運営企業「ブラスカン」に入社後、頭角を現して2002年に36歳でCEOに就任。以来、1,350%のリターンを叩き出している。昨年の売り上げは250億ドル、純利益は33億ドルに達した。現在もトロントで暮らし、地下鉄通勤する。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=フランコ・ヴォグト

この記事は 「Forbes JAPAN No.37 2017年8月号(2017/06/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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