インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方によって成り立つ経済、「ギグ・エコノミー」が拡大するなか、配車サービスのウーバーの運転手や、買い物代行サービスのインスタカートの配達員へのチップはどうすべきだろうか。この点も、考えるべき問題になってきている。
あえて言うなら、米国ではレストランで食事をしてもタクシーに乗っても、美容院に行っても、店から示される料金は、客が実際に支払うべき金額ではない。ただ、チップをどれだけ払うかは、完全にその客次第だ。
「出し渋らない」4グループ
チップを気前よく支払うのは、どのような人たちだろうか。クレジットカードに関する情報を提供するクレジットカード・ドットコムの調査によれば、料金の20%(中央値)に当たる金額をチップとして支払っているのは、次の4つのグループに入る人たちだ。
・米北東部の住民
・男性
・共和党支持者
・クレジット/デビットカードで支払う人
一方、女性が支払うチップは同16%、民主党支持者と米南部の住民、現金で支払う客はそれぞれ同15%となっている。
ただし、この結果は同時に複数のグループに入る場合を考慮していない。つまり、民主党支持者は共和党支持者よりチップが少ないかもしれないが、北東部の住民には民主党支持が多い。そして、南部の人たちのチップは料金の15%程度との結果ではあるが、この地域の住民は多くが共和党支持者だ。結果の解釈には、ある程度の幅を持たせるべきだといえる。
全く払わない人も多数
調査の結果からは、チップを全く支払わない人が驚くほど多いことも分かった。ホテルの宿泊客の3分の1は、客室係にチップを払っていない。コーヒーショップでバリスタにチップを払わない人も3割ほどだ。また、美容師や理容師にチップを払わない人も12%いる。