部下の失敗、あなたの反応がすべてを決める

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人に対して自分が取った態度を、後から悔やんだことはあるだろうか? 相手は同僚や部下、上司、あるいはパートナーや子どもの場合もあるかもしれない。

以下は、職場で起こり得る2つのシナリオだ。

<シナリオ1>

Aさんはある製造会社に勤務している。ある日、上司のJさんはAさんが仕事でミスをしたと判断し、腹を立てて同僚たちの目の前でAさんに怒声を浴びせた。

Aさんは説明しようとしたが、Jさんはそれを遮り、Aさんをばか者呼ばわりしながら言った。「もう君の仕事ぶりは信用できない」。そして他のメンバーに向かって「いいか? ばかなことをするとこういうことになるんだ!」と言うと、会議室を飛び出してしまった。

結果:

Aさんは恥ずかしさでいっぱいになり、ひどく落ち込んだ。何も間違ったことをしようとしたわけではなく、上司に頼まれた仕事を独創的にこなす方法を思いついたつもりだった。Aさんは自信を失い、自分の職務能力を疑い始めた。上司といるのが気まずく、彼の顔色をうかがうようになってしまった。

Aさんの同僚にも影響があった。仕事のやり方についてのJさんの意向を逐一確認するようになった。そうしないとJさんに何を言われるか分からないと恐れたからだ。生産性は下がり、革新は減り、従業員の士気も低下。一方で事細かな指示は増えた。

<シナリオ2>

Aさんはある製造会社に勤務している。ある日、上司のJさんはAさんが仕事でミスをしたと判断した。Jさんはミーティングの最中、怒ることなく一呼吸置き、質問した。「Aさん、君がしたことを理解したいので、説明してくれるかな?」

Aさんはこう説明した。Jさんに言われた仕事をする際、ITシステムに入力する情報に重複があることに気がついた。チーム内の担当者2人に相談し、すぐにシステムに幾つかの変更を加えてもらった。「数か所の画面が以前から少し変わりましたが、重複情報の入力を排除することによって、毎週数時間分の仕事を削減できるはずです」
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編集=遠藤宗生

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