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ロボットやIoTの専門メディア「ロボティア」代表

Annette Shaff / Shutterstock.com

SiriやAmazon Alexaなど、AIアシスタント(パーソナルアシスタント)の性能向上がめざましい。人間の日常会話を理解し、最適な情報を検索することで行動をサポートてくれるAIアシスタントは、私たちの生活に徐々に溶け込みはじめている。

昨年、AIアシスタントが搭載されたAmazon Echoなど家庭用スピーカーは、世界のサービスロボット(工場で稼働する産業用ロボットではない消費者用ロボット)市場の中で売り上げの大半を占めたという統計がある。これまで、サービスロボットの中で売り上げの筆頭となっていたのは、「ルンバ」などいわゆる「掃除用ロボット」だったが、その状況が一変しはじめている。

今後、家庭用スピーカーの売り上げ台数が、年を追うごとに増えていくことはほぼ間違いなく、並行してAIアシスタントの普及にも拍車がかかっていくと予想される。

現時点ではまだ「生活になくてはならない」とは言えないまでも、徐々に確固たる市民権を得ているAIアシスタント。さらなる発展のためには、どのような角度からアプローチが必要だろうか。個人的には、「発話機能のブラッシュアップ」、つまりユーザーが親しみやすい音声=声での会話実現が、そのひとつになるように思える。

有名人の声を採用?

発話機能のブラッシュアップについては、韓国で興味深い動きがある。AIアシスタントおよびスピーカーを開発する企業群が、その発話機能に芸能人の声を取り入れようと試行錯誤しているのだ。

IT企業・KAKAOはAIスピーカー「カカオミニ」に、芸能人の声を採用すべく事前アンケートを実施。ユーザーからは、俳優コン・ユや歌手IUなどの声を熱望する意見が多く、カカオ側も導入に前向きだとされている。一方、AIスピーカー「NUGU」をてがけるSKテレコムは、少女時代やEXOなど、韓国芸能プロダクション最大手・SMエンターテイメントに所属するタレントの声を起用していく案を検討している。

なおAIアシスタントに有名人の声を採用するという流れに対しては、リスクも議論されている。例えば、有名人本人が話したかのように、会話を“捏造”されてしまうケースがそれだ。サムスンは、人気歌手Horanの声をAIアシスタントに採用しようと用意してきたが、否定的な世論を考慮して、今年3月にプロジェクトを中止している。

現在、AIアシスタントの声は、特定のイメージに偏らないように声の主が不明かつ、無個性が大半だ。ただ、AIスピーカーが爆発的に普及する過程で、ユーザーの欲求が多様化していくことは容易に想像できる。韓国の企業群は、発話機能のブラッシュアップに「芸能人の声」という答えを見出そうとしているが、その他にも様々なアプローチがありえるはず。

日本の場合、ボーカロイドやアニメ声優が世界的に高い人気を博しているので、AIアシスタントとの“協業”も夢ではないだろう。一方、Siriの声は機械的ではあるが、認知が進みキャラクター=個性を獲得している側面がある。同様に、あえて機械的な音声を追求することで、競合商品との差別化を図ることができるかもしれない。

いずれにせよ、AIと人間の会話が技術的に珍しいものでなくなったとき、いかに「カルチャー的要素」を取り込んでいけるかが、各サービスの競争力を左右していくはずだ。

文=河鐘基

 

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