データジャーナリストのDavid McCandlessが運営するブログ「Information Is Beautiful」は、複数のソースから得たデータをもとに、大手ストリーミングサイト各社のロイヤリティ支払い額を分析。各社が1再生につきアーティストに支払う金額の推定値を公開した。
このデータはあくまでも推定値だが、ストリーミング業界の現状を把握する上で非常に興味深いものになっている。
このデータで最も意外に思えるのは、支払額が最大のサービスがナップスター(Napster)だという点だ。1999年にショーン・ファニングが立ち上げたナップスターはP2Pの仕組みを利用した楽曲共有サイトのパイオニアだが、数年前にラプソディ(Rhapsody)に買収された後、昨年からナップスターのサービス名でストリーミング事業を行っている。
Information Is Beautifulによると、ナップスターが1再生あたりに支払う金額は0.0167ドル(約1.85円)だという。少ないと思うかもしれないが、他のサイトはもっと低い。
2位につけたのはジェイ・Zが運営するTidalで支払額は0.011ドル。驚くべきことに、1再生あたり1セント(1ドルの100分の1)以上を支払うのは、ナップスターとTidalのみとなっている。
スポティファイやパンドラ、ユーチューブといった有名サービスはいずれも、1セントに満たないわずかな金額しか支払っておらず、この3社がランキングの最下位に並んだ。日本円換算ではスポティファイが0.42円、パンドラが0.12円、ユーチューブが0.07円となっている。
下記にInformation Is Beautifulが掲載した、ストリーミング各社の1再生あたりの支払い額の推定値を記載する。
ナップスター:0.0167ドル
Tidal: 0.0110ドル
アップルミュージック:0.0064ドル
グーグルプレイ:0.0059ドル
Deezer:0.0056ドル
スポティファイ:0.0038ドル
パンドラ:0.0011ドル
ユーチューブ:0.0006ドル