だが、それでもGMの投資家らは、同社が減速する米国の自動車市場に対応していくことができるのかどうか、気をもみ続けている。米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOが7月下旬、首都ワシントンとニューヨークを29分で結ぶ超高速交通システムの建設計画に政府から「口頭で」承認を得たとツイッターに投稿した際の投資家の反応とは、まるで対照的だ。
マスクのこの発言の意味や、この計画が実現可能であるのかどうかについて、恐らく理解している人はいない。だが、それでも同社の株価は同日、前日から4.66ドル上昇した。
さらに、価格3万5000ドルのテスラの「モデル3」をめぐる投資家らの興奮は、今も続いている。マスクはカリフォルニア州のフリーモント工場で生産する同モデルの生産台数を、今年末までに1日当たり1000台に引き上げると約束しているが、大量生産を始めるにはまだかなりの時間がかかりそうだ。同モデルは、最初の30台が7月28日に購入者のもとに届けられたばかり。一方、GMは30分で30台の車を生産している。
異なる評価基準
ウォール街はGMとテスラを異なる基準で見ているようだ。バーラCEOのリーダーシップの下、GMは業績目標を達成し、あるいはそれを上回る結果を残してきた。バーラが就任して以降の3年間にGMが上げた利益は、およそ220億ドルに達する。
対するテスラは今のところ、通期の最終損益で黒字を達成したことがない。それでもマスクは、事業拡大計画を推進するにあたり、投資家を引き付けることに何の問題も抱えていない。投資家らがそれほど簡単にマスクを信用する一方、バーラが同様の見方をされないのはなぜだろうか?