それによると、創業メンバーに女性を含むスタートアップ企業は、男性のみの企業を63%上回る実績をあげていた。当時、First Round Capitalの出資先で最も成功した企業の10社のうち3社が、女性が創業した企業だった。
その3社とはコスメ関連EコマースのBirchbox、指輪型ウェアラブルデバイスのRingy、ショッピングサイトのWaneloだった。
しかし、投資家らが女性起業家たちに向ける目は、男性の経営者に比べてかなり厳しいことが最新の調査で明らかになった。投資業界メデイア「Venture Capital」に掲載されたリポートによると、男性のみのスタートアップ企業は女性を創業チームに含む企業と比べ、資金調達に成功する確立が4倍も高いという。
ただし、First Round Capitalがかつて提示した、ジェンダーの多様性が企業のパフォーマンスの向上をもたらすという見方は、今回も裏付けられている。起業家育成に特化した大学として知られるバブソン大学のCandida Brush教授らは今回の調査で「企業価値の面で見た場合、女性を創業チームに含む企業の評価額は、男性のみで創業した企業を大きく上回っている」と述べている
VC業界ではこのところ、有名投資家が女性起業家にセクハラ行為を行っていた事実が次々と露呈し、強い非難を浴びている。Binary Capitalの投資家のジャスティン・カルドベックは、6人の女性起業家たちに立場を利用した性的な誘いを行ったとして、メデイアの集中砲火を浴びた。また、500 Startupsのデイブ・マクルーアもセクハラ行為を告発されて辞職した。
ただし、ここで特筆すべきは女性が経営に加わる率は、ここ十数年でかなり上昇していることだ。1999年当時はVCから資金調達を行う企業の中で、女性が経営に関わっている企業の割合は4%以下だったのに対して、現在はその数値は15%まで上昇している。
しかし、Brush教授らのチームは今回の調査で「女性起業家たちは依然として、ベンチャーキャピタルの投資先候補からは締め出されているのが現実だ」と結論づけている。