ランドセル最大手「セイバン」社長を支える3つの言葉

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また佐治さんの「成功するには、成功を掴み取る運気と鈍いくらいの愚直さとやりきる根性が必要だ」という意味の「運・鈍・根」という言葉にも、日々励まされています。当社はまだまだ足下にも及びませんが、少しでも理想とするサントリーに近づけるよう精進したいです。

実父はというと、残念ながらともに働けたのが3カ月間だけだったので、経営に関する大きな影響は受けていません。ただ、ひとつだけ尊敬しているのは、「社員が贅沢する会社がいい会社だ」という考え方。

本当に父は贅沢をせず、自分は小さな国産車に乗っていて、社員がレクサスに乗っていると喜んでいました(笑)。高度成長期は当たり前でしたが、父ももれなく仕事一筋。月曜に出て土曜に帰宅、日曜は一日中テレビを見ていて、遊んでもらった記憶がない。いま私が休日に家族と積極的に関わろうとするのは、もしかしたら父を反面教師としていたからかもしれません。

<泉貴章のある1日>

6:00 起床
9:00 出社
10:00〜12:00 会議
12:00〜13:00 ランチ
13:30〜17:00 会議
18:00 退社
19:00〜21:00 会食
22:00 帰宅

泉貴章が大切にするもの>


人生の書

月並みですが、エリヤフ・ゴールドラットの『ザ・ゴール』。2006年に読んだ当時は本質を掴めませんでしたが、家業を継いでから、読み返すごとに新たな気づきを得ています。特に、制約と非制約の使い方など、目からウロコの発想がいまでもあります。


ウイスキー「山崎」
2010年にサントリーを退職する際、同期の仲間からいただいたもの。セイバンで10年経って自ら納得できる成果を出したら飲もうと思って、封を開けずに置いています。

健康管理
会食が多いので、家ではアルコールを控えるように心がけています。週末はジムに通って筋トレなどの運動を。今年からはマラソンに出ようとランニングも始めました。

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泉貴章(いずみ・たかあき)◎1974年、兵庫県生まれ。2000年、大阪大学大学院を修了後、サントリーに入社し、製品開発などに携わる。10年、父が社長を務めるセイバンに入社。父の逝去に伴い、11年2月、4代目社長に就任。

構成=堀 香織 写真=yOU(河崎夕子)

この記事は 「Forbes JAPAN No.36 2017年7月号(2017/05/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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