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経産省では00年度より「未踏事業」という人材発掘・育成事業を行っていますが、それを見ると日本人は本当に多彩な人がいるのだなと驚きます。世界に対抗できる、優秀で面白い人たちがたくさんいるんですよ。そういう人たちの才能を伸ばしていくことが大切だし、企業もそういう人たちを年功序列の世界に組み込んで使うのではなく、支援や投資をすることも選択肢に入れていかなければいけません。

多様性と自由さを阻害する「新卒一括採用」なんて、いますぐやめるべきですよ。

イノベーターを輩出する「未踏事業」


歴代の出身者には、筑波大学学長補佐・落合陽一氏(09年度採択/加藤昌人=写真)、スマートニュース会長・鈴木健氏(2002年度採択)、プリファードネットワークス社長・西川徹氏(05年度採択)、をはじめ、各分野で最先端を走る起業家・クリエイターたちが揃う。


2016年度の参加者30人のうち、15人が「スーパークリエータ」認定を受けた。ソナス共同創業者の神野響一氏、神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の木村廉氏、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の和田夏実氏など、その多くが今後のIoT社会を加速させるプロダクトやシステムを開発しているのが特徴だ。

人材教育とともに、もう一つ、課題がある。産業間を繋ぐには、各社がデータや人材をオープンにすること。日本の競争力を高めるためにも、それらを利活用できる環境づくりは必須の課題だ。コネクテッド・インダストリーズを掲げた政府は、どのような改善策を仕掛けるのか。

優秀な人材が活躍する社会になるためには、企業が外に開かれていくことが非常に重要です。伝統的にものづくり分野が強い日本の優位性を維持するためには、優れた技術を自社に留めておくだけでなく、他企業や他分野と組み合わせ、より優れた技術やモノを世の中に生み出していくことが求められます。

他の先進国や勢いのある途上国と比較しても、データや人材などあらゆる面において日本の閉塞感は否めません。他社との競争ばかりでなく、協調するマインドをより強く持ってほしいですね。

データや人材を外に対して開いていくためには、企業間の合意形成が不可欠。この点に関しては、いま政府はデータの利用権限に関する契約ガイドライン策定に乗り出しています。まず我々が主導していこうと。

知り合いのベンチャー企業の社長からも言われましたよ、政府が率先してムードをつくってほしいと。政府から発信することで大企業も変わっていくんです、日本という国はね。

これから多くの日本企業は、強みである高い技術を持った現場力で協調し、団結しなければいけません。政府の役割は、制度面からコーポレート・ガバナンスの強化や働き方改革など、あらゆる政策を有機的に繋げていくことです。オープンイノベーションによるコネクテッド・インダストリーズでこそ、これからの日本経済は成長できます。いま問われているのは、経営者のマインドセットなのです。

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世耕弘成(せこう・ひろしげ)◎経済産業大臣兼内閣府特命担当大臣、ロシア経済分野協力担当大臣。1962年、大阪府生まれ。86年、日本電信電話入社。98年、参議院和歌山県選挙区で初当選後、自民党参議院政策審議会長、官房副長官など歴任。2016年より現職。17年3月、IoT技術やAIなどの先端技術分野における日独共同開発などを行うハノーバー宣言に署名するなど、日本の第四次産業革命を牽引している。

構成=フォーブス ジャパン編集部 写真=ヤン・ブース

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