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2017.07.25 11:15

各界の第一線で活躍する5人の女性が、IWC創業の地・シャフハウゼンで語り合う

「素敵な女性像」とは?

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水しぶきをあげるラインの滝をバックに記念撮影。そんなリラックスした時間も愉しみながら、会話を交わす。価値観も生き方も違う4人の女性の人生が、ここシャフハウゼンで交差し、混じり合う。

谷本:さて、今回は各界のプロフェッショナルである女性にお集まりいただいていますが、あなたが素敵だと思う「女性像」とはどのようなものでしょうか。
働く女性として、日本人の女性としてこれまで感じてきたことを教えてください。

武井:女性は自由だと思うのです。若い時は男性だったら違っただろう、女性だから損をしていると思うこともありましたが、女性な私は変えられないと思ったことで楽になったことも多かったと思います。

私は転職回数が多いのですが、やりたいことを追求し続ける自由さを持てたのも女性だからかも。男性だったら組織からの期待や世間体を気にしてここまで好きにはできなかったかもしれません。

杢野:キャリアということでいうと、女性だからとは考えたことがありません。何か自分に起きたことに対して、女性だからと理由をつけたことはありますが、男性でも同じようなことが男性という理由で起こったはずだと考えます。

社会のシステム自体が女性に不公平だという事実はありますが、徐々に変わってきている。いま女性がさまざまなジャンルに進出していることを、社会的には受け入れようという流れがある。そこを逆手にとっていろいろやってしまえばいいのでは。

武井:性別は関係ない、という強さがないとなかなかできないかもしれません。それはやっぱり自分の価値観を貫くということにつながります。

杢野:応援してくれる男の人は結構多いんだよ、ということは冷静に考えてもいいと思います。いたずらに男性を敵視する必要はなくて。

谷本:ジェンダーの問題にしていくらでも言い訳をしたり、理由をつけることができますが、そこの議論にとらわれていると一歩も前に進めない。それにいつ気づくかが重要ですよね。本当に素敵な人たちはそんな不毛なことで消耗しない。社会通念を一切気にせず、使命に徹底的に向き合う姿勢が私は美しいと思います。

最後に、この会議のなかで何度もキーワードとして出てきた「価値観」というものを最後に議論してみたいと思います。私は、自分のやりたいことや興味のあること、大切にしていることが自身の「ミッション」と合致したときに「価値観」として生み出されるような気がしています。

武井:まだ見ぬやりたいことがあるはずだと思うと罠にハマる気がします。逆に、やめられないことには理由があり、それが自分にとってのミッションや大事な価値観を包含していると気づくことが多い。

もう一つは想像力を磨くことです。日々の業務に追われ発想が貧困になると、人は自分にとって大事な価値観を見失ってしまう。たとえば日常生活とは違う芸術の刺激を受け、感情を揺さぶり想像の翼を広げることで、人間としての幅も広がり、価値観が見つめられる。想像力は人間としてのバランスも担保してくれます。

それを実感したのはマッキンゼーで一日3時間しか寝られない生活をしていたとき。かなり精神的に追い詰められたのですが、無理やり音楽だけは続けていて、想像の世界で遊べる場所を持っていたから自分が壊れなかったのだと思っています。

杢野:何かを考えるときに、できない理由を外にもっていかないことですよね。何も解決につながらないので。自分のなかでできることを深く考えてみること。人のせいや社会のせいにするのは簡単ですが、それでは何も進まない。やってみよう、と思ったときにやっぱり想像力が必要になる。

中塚:まず、何かをする前に自分の立っている場所を再確認する必要があると思っています。自分が今一番心地よい到達点を探すこと。何を表現したいのかイメージして、進んで行く過程で微調整しながら具体化することかなと思います。

武井:そこにも自己肯定感が必要ですよね。自分を認めてあげること。

中塚:上に上にと進むことよりも、奥へ奥へ行きなさいと言われた言葉を大事にしています。今自分に出来ることは何かを問い続けることですね。

中野:私の場合、確たる価値観というものは思い当たらないですが、自分が母親であることから、これをやったら子どもたちは悲しむだろうか、ということが唯一の価値基準かもしれません。母性ということが自分のなかでは非常に重要。私にとって母性は強みですね。論理が行き詰まったときには母性で包み込むとほぼうまくいきます。

武井:好きなこと、得意なこと、お金を稼ぐこと、この3つですね。生き続けるためにはお金が必要で、好きなことをやっていないとストレスがたまり、得意なことをしていないと精神的報酬が得にくく、生き続けるためにはお金が必要。
ひとつのことで三つを満たすことはとても難しいですが、いくつかのことを同時にしていくことで3つをこなせるものです。

中塚:私が言った“心地よくいられること”というのはのんびりした感じに聞こえるかもしれませんが、心地よさはシーンによって違っていて、例えば一発勝負の本番の緊張感、イメージを膨らませるときの落ち着き、書くときの集中、それらすべてにおいて心地よさをもっていることが重要です。

武井:中野さんは確たる価値観はないとおっしゃっていましたが、母性で包みこむと心地よくいられると感じているのなら、それも価値観ですよね。

中塚:この場でお話をしていることも、ひとりでもほかの方向へと向かっていたらこの自由に意見を交換する空気感は生まれないですよね。

杢野:全く異なる世界でプロフェッショナルとして生きるみなさんと意見を交わすことができ、意義深い旅でした。

武井:お互いに考えや価値観が違って当たり前。5人ともこの旅すべてを満喫しよう、お互いからも何か得ようと思ったからこそ、素直に意見交換もでき、興味深いお話を伺い、自分の考えをさらに深めることができました。心から楽しい会話をありがとうございました。

谷本:IWCの「ダ・ヴィンチ」に代表される数々の美しい時計が伝統と革新のなかで作られていることを知り、「いま」「ここ」を見つめることの大切さを思い出しました。都会を離れ、この街で見つけたものは素の自分自身と向き合い、自分らしさすなわち“The Code of Me”を再確認する時間の大切さだったのかもしれません。みなさん、ありがとうございました。

IWC Da Vinci

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上:ダ・ヴィンチ・オートマティック 36。写真のラズベリーピンクのアリゲーターストラップ、ケースに54個のダイヤモンドをセットしたモデルのほか5種類。ケースとベルトをつなぐラグは可動式で、自然なフィット感。1,215,000円
下:ダ・ヴィンチ・オートマティック・ムーンフェイズ 36。のケース裏には「生命の花」をイメージした特別なエングレーヴィングが施されている。1,445,000円(IWC 0120-05-1868)


杢野純子(もくの・じゅんこ)◎円谷プロダクションマーケティング統括室長。経営コンサルタントとして、新規事業、技術、マーケティング戦略策定に従事。ポケモンなどでコンテンツビジネスの経験も豊富。

中野香織(なかの・かおり)◎エッセイスト、服飾史家、明治大学国際日本学部特任教授。男女ファッション史から最新モード事情まで、研究・執筆。著書『モードとエロスと資本』(集英社新書)ほか多数。

中塚翠涛(なかつか・すいとう)◎書家。昨年パリで開催された「Société Nationale des Beaux-Arts2016」では金賞、審査員賞金賞を受賞。著書『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』(宝島社)シリーズ。

武井涼子(たけい・りょうこ)◎マーケター。電通、マッキンゼー、ディズニーなどを経て現在、グロービス経営大学院准教授。今秋は「アドテック東京」に登壇予定。国連本部で歌うなど声楽家としても活躍。

谷本有香(たにもと・ゆか)◎フォーブスジャパン副編集長兼ウェブ編集長。証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカーを務めた後、2004年に米国でMBAを取得。16年より現職。

Promoted by IWC text by Yuka Tanimoto, Tsuzumi Aoyama photographs by Kohei Harada(WIT PLAATS)

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