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2017.07.24

ネイマールの「280億円移籍」の裏にある、巨額のオイルマネー

Photo by Matthias Hangst/Bongarts / Getty Images

世界で最高のサッカー選手の一人であるネイマールは、FCバルセロナやチームメイトのリオネル・メッシと離れ、パリ・サンジェルマン(PSG)に移籍すると伝えられている。ネイマールの移籍金は2億5000万ドル(約278億円)と伝えられるが、問題はPSGがどうやってこの資金を用意するかだ。

手短に言うと、これはオイルマネーだ。PSGはフォーブスの試算では年間9200万ドルの営業利益(税引前)を2015-16 年のシーズンにあげているが、PSGはカタールの投資庁の子会社「カタール・スポーツ・インベストメンツ」(QSI)に6年前に買収されている。

英国のマンチェスター・シティもアラブの投資会社に買収されており、PSGもアラブがいかにサッカーに巨額の資金を注いでいるかの象徴と言える。PSGは2010年以来、世界で4番目に支出額の高いサッカーチームとなっている。

PSGは世界のサッカーチームのスポンサー収入ランキングでは10位でしかなく、ナイキとの年間契約料で2300万ドル、エミレーツ航空との年間契約料で2800万ドルをあげている。また、PSGが所属するリーグアン (Ligue 1)は、放映権料収入で他リーグとの比較で5位のポジションだ。下記にサッカー5大リーグの放映権料収入を比較してみる(末尾の年度はシーズン)。

プレミア:45億5000万ドル(2017/19)
ブンデス:15億6800万ドル(2018/21)
セリエA:12億6400万ドル(2016/18)
リーガエスパニョーラ:12億6000万ドル(2017/19)
リーグアン:9億300万ドル(2017/20)

PSGはいかにして過去5年のうちに4回、リーグ優勝を果たすほどのチームになったのか。ニューヨーク・タイムズは2012年の記事で、PSGは推定3億4000万ドルの追加出資をカタールから受け、15名以上のトップ選手を各国の有名チームから引き抜いたと伝えた。また、スウェーデンのズラタン・イブラヒモビッチには3年契約で移籍金2300万ユーロ(約30億円)が支払われたという。

バルセロナは6億5000万ドルの巨費を投じ、数年後にはスタジアムをリニューアルし、観客動員数をさらに伸ばそうとしている。しかし、バルセロナがネイマールをつなぎとめることは出来なかった。

編集=上田裕資

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