米国心理学会(APA)の「2016年労働・健康調査」では、米国人従業員で「自分の会社が従業員の心身の健康を支援している」と回答したのは半分以下だった。また同調査では、米国人の3人に1人が仕事に慢性的なストレスを感じていることも分かっている。
従業員の幸福度向上が生産性増加につながるとすれば、企業と従業員が行動を取らない理由は何か? 従業員側としては、心の病について話すと偏見を持たれ、最悪の場合失職する可能性もあると恐れている。
ライターのリンジー・ホームズは、これはただの偏見の問題ではないと論じている。偏見という言葉は軽すぎる。これは差別なのだ。
メンタルヘルスについて正直に語れるようになれば、この差別の終わりも見えてくる。もちろん、私たち全員が率直に心の病を公表できるような恵まれた環境にいるわけではない。残念だが、仕事を失う危険を冒せない人もいる。
マダリン・パーカーのメールがこれほど強力なのもそのためだ。私たちの多くが経験するが、なかなか口に出せないことを言葉にしている。
オラーク社のように、従業員の自己ケアを奨励する会社は増えている。できるならば、こうした新たな職場を探すか、自分でそうした仕事を創出してはどうだろう。私たちにさまざまな要求をするのに、その健康には全く気を使えないような仕事を続ける理由はない。
私たちは自身のメンタルヘルスを優先する準備ができている。そして私たちは、同じく自分のメンタルヘルスを優先してくれる会社を選ぶだろう。